「おい、お前の家族家にいるじゃん」
「当たり前だろ? 今日誰もいないなんて一言も言ってないと思うけど?」
何を期待していたの? と聞かれ、言葉に詰まった。
目の前に寿也が迫ってきて、思わず後ずさり壁際まで追い込まれる。
「も、もし部屋に入ってきたらどうすんだよ!? 寿」
「大丈夫、僕なら全然気にしないから」
「俺が気にするっての……むぅ」
吾郎の心配なんかお構いなしとばかりに、唇を塞ぐ。
さっき、十分に彼の妖艶な姿を目の当たりにしてきたのだ。
とても、そんなことを考える余裕などない。
歯の裏を丁寧になぞり、逃げる舌を追いかけては吸ってみる。
口腔内をまさぐり、粘膜の隅々まで味わう。
最初は抵抗してみたものの、それは形だけで直ぐに身体を預け吾郎は彼の首に腕を絡ませる。
「ふ……ぅ」
少しの隙間も与えたくないというようにその甘い唇の感触を愉しんだ。
「……寿。俺……もう」
「どうしたんだい、吾郎君?」
頬を染めて熱っぽい潤んだ瞳で見つめられ、寿也は目が眩んだ。
「やっぱ、なんでもねぇ」
恥ずかしそうにして、そっぽを向いてしまう彼に首をかしげる。
一体何が言いたかったのか。
身体は敏感に反応し、その肌の感触を味わいながら思案する。
ズボンの上からでもはっきりとわかるほど形を変えたソレにそっと触れると、彼の身体が大きくしなる。
「やけに、敏感だね。さっき何を言いかけたの?」
「な、なんでもねぇっ……って」
「話してくれなきゃ、わからないよ。ねぇ、どうしたの?」
問い詰めてみるが、彼は両手で顔を多いイヤイヤと首を振る。
「話す気にならないとイカせてあげない」
「えっ」
慌てて顔を上げた彼に、先ほどのカラオケで行ったように焦らしにかかる。
「あっ、や……わかった。言う、言うから!!」
彼は、上擦った声で半分目に涙を浮かべていた。
「で、何が言いたかったの?」
「……っ、れて……くれよ」
「? よく聞こえないよ」
首をかしげる寿也に、顔を真っ赤に染めてグイッと引っ張り耳元で囁いた。
「だからっもう我慢できないから、挿れて欲しいって言ったんだよ」
「ご、吾郎君……」
「こんな恥ずかしいセリフ、言わせんな」
目線を逸らし、恥ずかしがるその姿に堪らず抱きついた。
指をあてがうと腰が浮きビクッと反応する。
「ん……っ」
指で刺激を与えると、堪らず声が洩れる。
「ふっ……ん」
グチュっグチュっと卑猥な音が響き渡り、寿也は指の動きを早める。
「あっ……あぅっ……」
「吾郎君、とってもエッチだね」
クスッと笑うと、恥ずかしくて堪らず顔を覆う。
「感じてる顔、見たいから……隠さないで」
「やっ、ばかっ見んなよ。恥ずかしい」
「大丈夫、恥ずかしがる暇もないくらい、気持ちよくしてあげるから」
「あ……」
すっと、指を抜き代わりに自身を一気に沈める。
「ひ……ぁ……」
「吾郎君、そんな締め付けないで」
ゆっくりと動くたびに身を捩らせ悶える姿が、とても官能的で寿也はだんだんと動きを早めてゆく。
「あっ……と。寿ぃ……ダメっ……俺もう」
喘ぎ声も大きくなり、更に動きを早める。
「も、イクっ……はぁっ……ん……」
悲鳴に近い声を上げ、彼は寿也より先に熱い飛沫をほとばしらせた。
寿也も、その後すぐに彼の中へ思いの丈を放出した。
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