吾郎は頭の中が真っ白になって動くことが出来ないでいた。
明るくなっては消えて行く花火。
その光にあわせるかのように口付けをされ、気がつけば着ている浴衣の合わせの部分からそっと手を差し込まれ、胸の辺りを触れられていてそのたびに身体がビクッと反応する。
花火が大きく派手になればなるほど、彼の行為もエスカレートしてゆく。
「ちょっ、寿! こんなとこで盛ったらマズイって」
「そうだね。じゃぁ、こっちに行こう」
そう言って、彼は吾郎の手を引っ張り、茂みの中へ。
姿はうまく隠せているが、数メートル先に花火の見物客がいることには変わりない。
「ここなら、バレないよ」
「お、おい! ちょっと待てって……っ」
首筋にキュッと唇をつけられ、服の隙間から硬くなった胸の敏感なところを触られ、頭の中が今にも沸騰しそうだ。
「はぁ……ん……」
久しぶりの刺激に耐えかねて、吾郎の口から甘い声が洩れる。
慌てて、口を塞ぎ身を震わせ、刺激に耐える。
「寿、ダメだって……ふぁ」
吾郎の声など彼の耳には届いていないのか、先ほど刺激した先端を口腔内へ含む。
早く引き離さなければと頭の中ではわかっているが、身体は全く言うことを聞かず、寿也の与える快感へと身を投じてしまう。
「吾郎君、後ろ向いて」
「えっ!?」
言うが早いか四つんばいにされ、強引に中へと割り込む。
「くっ……」
あまりの痛さに苦痛の表情を浮かべる。
いつもの彼ならココで止めてくれるのだが、今日は違っていた。
花火客の歓声に合わせて動きを変える。
「あっ! ぁぅ……んんっ」
吾郎の洩れ出る喘ぎ声もだんだん大きくなって、慌てて寿也は彼の口を押さえる。
「ち、ちょぉ……っ、はげし、すぎだって……ぁぁっ」
「ゴメン。でも、もう手加減できそうにないから」
そういいながらさらに動きを早める。
(信じらんねぇ、こんな人がいるのに)
そう思えば思うほど、頭の中が空っぽになって行為に没頭してしまう。
「あぁっ……んっ、と、寿ぃっ、俺、もうダメっ……っ」
「僕もっ!!」
一際大きな花火の音とぼぼ同時に、二人は果ててしまった。
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