カラオケを歌いながら、吾郎はこの場所を選んだことを少し後悔していた。
狭く薄暗い部屋で、二人っきり。
しかも、一番奥の部屋をあてがわれ、周りの部屋に誰も出入りする気配が無い。
眉村は黙って、吾郎を見つめている。
ふいに、彼が肩を抱いた。
びくっと飛び跳ねそうになるほど驚いた。
すぐ近くに彼の顔があり、目が合う。
ドキリとした。
それと同時に柔らかい感触があって、ソファの上に押し倒される。
手にしていたマイクがコトリと落ちて、軽快な音楽だけがエンドレスに流れている。
彼は覆いかぶさるようにして上に乗り、唇を吸う。
輪郭をなぞり、少し開いた隙間を埋めるように、口付けた。
舌に吸い付けば、吾郎も諦めたのか、それに応じるようにお互いの唾液が絡み合う。
「ふ……ぅ……」
息を吸う暇ももったいないといった感じで、吸っては舐め、舐めては吸ってを繰りかえす。
気がつけば、上着のジッパーを下げられ、シャツの中に手を入れられる。
片方の手は、ズボンの中へ入り下着の上からなぞるように触れられ、堪らず身をよじる。
「ちょ……こんなとこで」
慌てて抵抗しようとするが構わず、彼のモノを口に銜え込まれ身体がしなる。
「 やっ、それは……刺激が強すぎっ」
肩を震わせ、与える刺激に耐えているその姿はとても妖艶で眉村は頭の先から沸騰しそうに熱くなる。
ここがどこであるとか、そんな事は今の彼にとってもうどうでもよかった。
秘部に触れればすでに熱く、指に吸い付いてくる。
彼のズボンと下着を剥ぎ取り、刺激を与える。
「あっ、ダメだって……健!!」
「コッチは嫌だって言っいみたいだぞ」
くっと力を入れれば簡単に銜え込んでしまう。
中はとても熱く火傷しそうなほどだ。
カラオケの密室の中、大音量の音楽に触発され自然と喘ぎ声も大きくなる。
結局、二時間分のカラオケ代は、そのほとんどの時間をこの行為で費やしてしまった。
その後、夕方まであちこち見て周り最後は公園のベンチでゆったりと過ごす。
「吾郎。今日はありがとう。嬉しかった」
「今度から、また遠征だろ? 頑張れよ」
じゃぁ、またな。と握手を交わしてお互いの家へと戻っていった。
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