部屋に戻った児玉と国分は先ほどのことについて話をしていた。
「なぁ、どう思う?」
「あ? 茂野と佐藤のことか?」
「そうそう、何か秘密でもあるのかなぁ」
「茂野はともかく、佐藤はよくわからねぇな。」
児玉の言葉に国分もウンウンと頷く。
「茂野はさ、女より野球第一って感じだからあんまり興味ないってわかるんだけど、佐藤は……」
「何考えてんのか、わかんないよね」
「そうだよな……、アイツ頭いいから、勉強で気を紛らわしてんじゃねーか?」
「なるほど、そうだよきっと!」
二人は、一つの答えに辿り着き、妙に納得した表情になる。
本当の二人が何をしているのかなど知る由もなかった。
大浴場についた二人は、珍しく誰もいないことに驚いていた。
「さすがに、九時済んじまったら、誰もいねーな」
「そりゃそうだよ。みんな、練習終わってすぐにお風呂行くからね」
二人の声と、シャワーの音だけが響いてくる。
吾郎は、急に二人きりだということを意識してしまい、そそくさと端っこのほうへ行ってしまう。
「ねぇ、何もそんな端っこで身体洗わなくっても……」
「い、いいだろう!どこで洗おうと俺の勝手だ」
「何を今更……恥ずかしがっても無駄だよ」
寿也に背中を向けて、ごしごしと洗っていると、急にシャワーをぶっ掛けられた。
「おい、まだ洗ってる途中だ……って」
振り向くとすぐそこに寿也がいて、目が合ってしまう。
「もう十分きれいだよ……」
うっとりと囁かれ、唇が触れ合う。
「寿、ここじゃ……誰かきたら困る……」
「嫌なら、拒めばいいだろ?」
意地悪く笑われ、思わず俯いてしまう。
その顎をクイッと持ち上げられ再び見つめ合う。
「寿也はズルイ……」
「ん?」
「俺が、お前を拒めない事知ってるくせに……」
「そこまで、自惚れてないよ。ただ、吾郎君も僕と同じ気持ちだったらいいなって」
そう言いながら、壁にもたれかかり口付けをする。
「んっ」
右手は胸の突起を摘み、首筋に唇を這わせ、刺激を繰り返す。
「は……ぁ……」
吾郎の口からは甘い吐息が洩れ出る。
「吾郎君は? 何もシタくない?」
「そんなこと……見て判れよ」
彼のモノはハッキリと形を変えていた。
「吾郎君の口から聞きたいんだ。シたいって……」
そんな事を言われ、吾郎は耳まで真っ赤になった。
「そんな恥ずかしいこと、言えねぇよ」
視線を逸らし、頬を染め、恥ずかしがるその姿がとても新鮮に見えて、クラクラした。
さらに刺激を与え、耳を甘噛みすると、ビクビクと反応する。
「はぁ……ぁ……っ」
「いつもと違う場所だから、燃えるだろ?」
「やっ、バカ……聞くなよ……んっ」
膝がガクガクになって、洗身台に手を突く。
「吾郎君、僕も、もうガマンできないよ」
石鹸を潤滑剤代わりにして、半ば強引に一つになる。
小さな呻き声を上げ、苦悶の表情をする吾郎に思わず躊躇する。
「痛く、ない?」
「平気だから……続けろってっ。」
シャワーの音に喘ぎ声は掻き消され、ここがどこであるかつい忘れそうになる。
「愛してる……吾郎君っ!」
そっと囁くと吾郎の身体がブルッと身震いをする。
頭の芯までのぼせそうな程お互いに激しく求め合った。
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