ベッドの脇にもたれかかり吾郎は寿也とキスをしていた。
早く拒まないと父親が帰ってくるかもしれないと言う思いともあったが久しぶりに触れ合う肌の感触がとても嬉しくて、拒めないでいた。
寿也とキスをしているただそれだけで、他のことが何も考えられないくらい頭の中がいっぱいになる。
今日の寿也とのキスはいつもと違って貪欲だった。
その感触を確かめる余裕も無いのか貪るように熱い口付けを繰り返す。
自分がそんな風にさせているんだと思うと余計にドキドキして吾郎もその気持ちに応えてしまう。
「吾郎君」
熱っぽい声で名前を呼ばれ首筋に唇が触れる。
「ぁっ」
シャツの中に手を入れられゆるゆると身体のラインに沿って手を這わす。
胸の突起に辿り着き、キュッと摘まれると敏感に反応する。
いつの間にか呼吸も速くなり体の中心が熱を帯びていくのがわかる。
「寿、ダメだって……んっ」
言葉で拒絶しても身体はもっと先のことを要求していた。
寿也にもそれが伝わったのかシャツを捲り先ほど刺激していた部分に唇をつけ舌で転がすようにして吾郎の反応を見ている。
ゾクゾクゾクっと全身が震える。
寿也の手はいつの間にかズボンの太腿の辺りを厭らしい手つきで行ったりきたり。
頬を紅潮させ身悶える姿はとても刺激的で、寿也は目が眩みそうになった。
わずかに残っている理性も、こんな妖艶な姿の吾郎の前では吹っ飛んでしまいそうだ。
彼らが淫蕩にふけっている丁度そのころ、英毅が真吾を連れて戻ってきた。
新しい着替えを病院にもって行くためだ。
英毅は玄関前に置かれた男もののマウンテンバイクに首をかしげる。
誰か友達でも来ているのだろうか?
玄関には見覚えの無い靴がきちんと揃えて置いてあった。
真吾は、病院で出会った赤ちゃん事をの報告するためうきうきと吾郎の部屋へ続く階段を上ってゆく。
「吾郎兄ちゃん、なにしてるの?」
ドアを開け、目の前の光景に目を丸くする。
「し、真吾!?」
もっと驚いていたのは当の二人だった。
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