海堂編
LoveSick
そんな彼を見て寿也は耳元でわざと囁いた。
「今日はお仕置きだから、イカせてあげない」
「そ、そんなっ……はぁっ」
秘部に手をあてがい、すっかり柔らかく解れたそこにゆっくりと進入する。
「悔しいだろ? この身体が僕だけのものじゃないなんて」
悩ましげな顔をして、もだえるその姿を自分がいない間に眉村に見せていたと思うと、嫉妬と独占欲でいっぱいになる。
誰にも、こんな姿見せたくない。
吾郎君は僕だけのものなんだ。
そんな想いが強く、激しさを増していく。
「はぁ……ッん」
寿也の動きにあわせ、吾郎の身体も妖艶にしなり、ベッドがキシキシと音を立ててさらに官能的なムードを醸し出す。
「僕は嫉妬深いんだよ」
切ない表情で、吾郎の唇を塞ぎ、洩れ出る喘ぎ声ですら誰にも聞かせたくないと言うように再び口付ける。
「手、解けよ。逃げないし」
「やだ。 そのほうがそそるから」
そういうと、さらに動きを早める。息も出来ない程深く激しい行為。
「あっ、あっ、解けって……ああっ。も……ダメッ」
達しそうになれば動きを止められ、散々焦らされ、さらに何度も何度も体位を変え、巧みに操られ、その日吾郎は初めて気を失ってしまった 。
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