海堂編

LoveSick


「吾郎君、お風呂行こうよ」

「ヤダね、行きたきゃ一人で行けよ」

夕食が終わり、うつ伏せでテレビを見ていた吾郎は相変わらずムスッとしていた。

まるで拗ねた子供のようだと、小さなため息を漏らす。

「まだ怒ってるの?」

「もう、お前とは一緒に入んねぇって決めたんだよ」

「ふーん、そっか……」

と言いつつ、吾郎の上にのしっとのしかかる。

「お、おい止めろって!」

ツツツーっと、指で身体のラインをなぞる。

あれから何度も身体を重ね、どこが弱いのかちゃんとチェック済みだ。

太ももの辺りを優しく撫でると、ピクンと身体が反応する。

いつの間にか頬は紅潮し、息遣いも心なしか乱れている。

「おっかしいなぁ、ちょっと触っただけなのに。息が上がってるよ?」

クスッと意地悪く笑う。

「お前が、触るから……」

「感じた?」

「そ、そんなわけ……」

ジャージの中に手を入れられ、色んなところを弄られる。

「う……。」

「硬くなってるよ?」

「うるせぇ」

後ろからゆっくりと手を動かし、その反応を楽しむ。

「……ぁ……ん」

卑猥な声が洩れ、思わず手で口を覆う。

その声が堪らなく艶っぽい。

「エッチな身体だね」

「だ、誰のせいだよっ!」

完全に自分のペースに持ち込んで、反抗する隙を与えない。

決して手を緩めることなく、愛撫を続ける。

「なぁ、やばいっ……やばいって、寿!!」

ひときわ抵抗が強くなるがそれでもその手を止めず、逆にもっと快感を与えてやろうと躍起になる。

「はぁっ……ぁあっ!」

数秒後には寿也の手の内で果ててしまった。

「これでも、お風呂行かないつもり?」

汚れた手をタオルで拭きながら、肩で荒い息をしてる彼を一瞥する。

「……わかったよ。一緒に行けばいいんだろ」

完璧に手玉に取れて、しぶしぶと立ち上がった。

こんな光景が毎夜繰り返される。

他の生徒たちもまさかこの二人が、このような関係でいるとは思いもつかないだろう。

そして翌日も、吾郎は寝不足に悩まされるのだった。


/ススム

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