藤井先輩が、僕の大切な人を脅していた事実を知ってから、3日が過ぎた。
僕は、アノ日以来できる限り先輩の側にいいるようにしてる。
だけど、僕は1年だし、先輩達は同じクラス。
嫌でも僕より一緒になる時間のほうが長い。
とりあえず、一日でも早く藤井先輩から、僕らが付き合ってる証拠を見つけて取り返さないと・・・。
僕も、いいかげんよく我慢してるなって自分を褒めたくなってくる。
藤井先輩の顔を見ただけで、本当は殴ってアバラの3本くらい折ってやりたいけど、それじゃ野球部が潰れちゃうから、止めてくれって先輩が。
全く・・・自分のほうが喧嘩っ早いくせに、野球部存続がかかってくると、変に慎重になるんだから・・・・。
こっそり藤井先輩のロッカーやら机の中やら、先輩と協力して探して回ってるけど、手がかりはゼロ。
あとは、携帯と藤井先輩の家だけか・・・・。
携帯なら何とかなるとして、もし家においてあった場合は本当に困ったことになる。
うーん・・・どうしよっか。証拠を隠滅しなきゃ、またすぐに脅される可能性もあるし。
復讐しようにも立場がどうしても弱くなる。
「あのさ・・・、俺、藤井ん家に行ってみる。」
「な・・なに言ってんっすか!そんなことしたら、食ってくださいって言ってるようなモンじゃないですかっ!!」
絶対にダメっ!!
もう、本当なら藤井先輩の視界に入れるのだって、僕は嫌なのに・・・。
試合中もポジションがセンターだから、吾郎先輩の身体を舐めるように見てるのが、僕にはとてつもなく許せないのに!
自分から狼の懐に飛び込むような真似は絶対にさせたくない。
「大丈夫。俺は
なにされても、平気だって」
のほほんとした口調で先輩は言う。
平気なわけないっしょ。
モドル/ススム