「好きです。先輩」
耳元で囁かれ、吾郎は動けなくなった。
身長も体格もどう考えても自分の方が圧倒的に有利なはずなのに、抵抗できないのは大河の瞳が彼によく似ているから。
制服のベストを引っ張られ半ば強引に唇を塞がれて舌を割り入れられる。
「んっ……ふっ」
寿也以外となんてこんな行為したくないはずなのに、身体はどんどん忘れかけていた感覚を呼び覚ましてゆく。
部室の壁に押さえつけられて深く貪るように口付けられ、ズボンの上から撫で上げられるとビクンッっとからだが跳ね上がった。
「先輩って、なんだかんだ言ってスキなんすね。こういうの」
「バッカ……ぁっ……違うっての」
からかう様にクスっと笑われて、言いようの無い羞恥心が吾郎を襲う。
「違わないっしょ。こんな風になってるのに」
直に触れられると堪らず身体が大きくしなる。
既に熱く反り勃っている自身からは先走りの蜜がとろとろと溢れてきて下着に大きな染みを作っていた。
「やらしいっすね先輩。あの人ともこんな事してたんすか?」
「はぁっ……何、言ってんだよ」
意味がわからないといった風に、眉を顰め熱い吐息を洩らしながら見つめてくる吾郎。
自分の知らない彼を知っているやつがいると思うとそれだけでイヤでイヤで仕方が無い。
ましてやそれが自分がリトルのときにライバル視していた佐藤寿也だと知ってしまったからには、行動に移さずにいられるほど大河は大人ではなかった。
自分だって吾郎が好きなのだ。彼のことを知りたいし、もっと自分のことを知ってほしいと願う。
それが行動として現れて壁に押し付けて再び強引に口付けた。
「どうせ、こっち来てから野球ばっかで全然ご無沙汰なんでしょ?」
「うっせ……んぁっ」
「その声、すごくそそられる。もっと聞かせて下さいよ、先輩」
「……っ」
耳元で怪しく囁かれ甘噛みされると痺れにも似た感覚に襲われる。
スルリと大河の細い指が秘部に触れられ、体の芯がカァッと熱くなった。
モドル/ススム