「薬師寺ぃ今、そんな声出すなよ……、俺、我慢できなくなっちまう」
隣で吾郎が抗議する。
「っせぇな……好きで出たんじゃねぇよ!」
熱く息を吐きながら、隣で肩を震わせている相手を睨み付ける。
「なんだ、ヤりたいのか」
「眉村っ……そういうことを人前で言うんじゃねぇ!」
「さっきの声、違うのか?」
「ちっ、違う」
視線を落とし、吾郎たちのほうに視線を送る。
寿也は、くすくす笑いながら、吾郎の耳をぺロッと舐めた。
「あっ」
ゾクゾクする感覚に、身体を震わせて恨めしそうに寿也を見る。
「あれぇ、おかしいね。どうしてそんな声でちゃうの?」
「も、わざとやっただろ!」
「そんなことないよ。ねぇ、吾郎君……キスしていい?」
「へっ!? だ、だめだって寿! んっ」
目の前に寿也が迫ってきて、ただでさえドキドキしていたのに、さらに鼓動が早くなった。
唇を塞がれて、隣に人がいるからと必死になってもがくが、全くといっていいほど力が入らない。
ただでさえ熱くほてったからだがさらに熱を帯びて、欲に耐え切れず吾郎も腕を回した。
長い口付けから開放されると、吾郎はすっかりトローンとしていて、妖艶な瞳で寿也を見つめていた。
隣からは、いつの間にか喘ぎ声が聞こえてきて、さらに欲情心を煽られる。
(なんだよ、薬師寺のやつ……そんな声聞かされたら俺、入れて欲しくなっちまう)
「どうしたの?」
「寿ィ……俺、我慢できねぇ、早くイれて」
「ずいぶんと、大胆だね、吾郎君」
「だってよぉ、隣であんなに気持ちよさそうな声出されたら、俺我慢できねぇ」
はぁっと息をついて、寿也の腕を引き、自分の股間に触れさせる。
「なぁ、触って? マジで我慢できねぇんだ」
小首をかしげ、甘えた声色で言われれば、拒否できるはずもなくて寿也はくすっと笑った。
「じゃぁ、薬師寺とおんなじ体位でいいかい?」
「ん、もう何でもいいから……早くぅ」
「さっき、薬師寺とヤってたんならほぐす必要もなさそうだね。いきなり入れちゃってもいい?」
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