「なんだよ、何だかんだ言ってお前もスキモノだなぁ」
「ちっ、ちがっ!」
「何が違うんだよ。こんなにして……言葉で嬲られんのが好きなのか?」
「馬鹿っそんなんじゃ……ぁっ」
俺の反応を見ながら巧みな指遣いで追い詰めていく。
こんなとこ誰かに見つかったら(特に佐藤とか佐藤とか佐藤とか)絶対にヤバい。
なんで襲われてる俺がこんな心配しなきゃいけないんだっ! なんて思いながらも確実に反応を始めた身体はどうしようもなく熱くて気持ちと身体のギャップに戸惑いすら覚える。
「お前、わかってんのか!? こんなの佐藤に見つかったら……」
「秘密の関係ってスリルがあって燃えんだろ?」
たいして悪びれた様子も無く唇をペロリと舐め自らのベルトを外しにかかる。
「まー、お前はゆっくり寝ててくれればいいから」
「いいからって、スリルを味わいたいなら他所でやれ! 俺を巻き込むなっ!」
俺の言葉に返って来たのはニヤリと笑った笑顔のみ。
つか、俺……貞操の危機じゃねぇかっ!
(今更貞操がどうこう言う歳でもねえが)
足を払われバランスを崩して尻餅をついた俺の上に茂野が跨る。
「おいおいっこれ以上はマジで駄目だって」
「そう怖がるなよ。ぜってぇ天国にイかせてやるから」
頬を高潮させ妙に艶っぽい茂野の上半身が目前に迫る。
「淫乱な奴」
「いいね、その言葉。聞いてるだけでゾクゾクする」
腰をゆっくりと沈めながら熱く息を吐き、笑って答える茂野に悪びれた様子は無く呆れるしか他はなかった。
「どうなっても俺は知らねぇからな!」
「ん……っ、ぁあ。わかってる」
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