吾郎受け R18
LoveSick
「あ、眉村じゃん! よぉ、早い戻りだな」
ドアの前で固まって居る人物に暢気に挨拶をする茂野。
「馬鹿かてめぇはっ! 自分の恰好をよく見ろ!」
「え? アハハ、そういやなんも着てねぇや」
「そういやじゃねぇだろっ」
俺だけ服を着ていても、これじゃあ此処で何が行われていたか一目瞭然だ。
「……これはどういう事か説明して貰おうか、薬師寺」
ドスの利いた低い声が響き、空気が凍る。
「……やっぱ俺、家に帰るわ。 じゃーな!」
「じゃーなって、茂野お前っ」
速攻で下だけ穿いた茂野は慌てて上着を羽織り逃げるように手を振って出ていく。
「この状況で置いて行くか、普通……」
「親戚廻りも済んだし、一人淋しくしてるんじゃないかと思ったんだか、違ったようだな……」
「い、いや、違うっ! これは茂野が…」
「何が違うんだ? 俺に理解出来るように説明してみろ」
「……っ」
嫌な汗がダラダラと滝のように流れて背中を伝う。
なんで……こうなっちまうんだ。
目の前には恐ろしい気を発して睨みつけてくる眉村の姿。
やっぱりあいつは悪魔だっ!!
そう思わずにはいられない年明けになった。
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