吾郎受け R18

LoveSick


しかし、ココは公衆の面前。

しかも多くの若者達が集まる店の中だ。

今は客もまばらだが、誰が見ているかもわからない。

「だ・・・ダメだ・・・こういうことは・・寮に帰ってから・・・」

「寮だって人がいて二人っきりになれないじゃないか。」

「そ・・・そうだけど・・・」

「大丈夫だ。メニューで隠せば見えないから」

そう言って、二人の間にメニューを立てる。

確かにすっぽりと覆われてしまうが、余計に目立つような気がして気恥ずかしさが先にたつ。

「もぅ・・・どうしてお前は・・・少しは我慢しろよ」

「それは無理な注文だな」

キッパリと即答され、吾郎は飲んでいたコーラをふき出しそうになった。

「な、なんで!?」

「なんでって・・・・・茂野が好きだからに決まってるだろ?」

平然と、さも当たり前のようにそういわれ、吾郎は茹蛸のように真っ赤になった。

「・・・・・・・も、バカやろう・・恥ずかしい事言ってんじゃねぇよ」

「事実だ。仕方がないだろ?」

「・・・・っ! ああっもう・・・・バカッ」

淡々と冷めた口調で言う眉村。

そんな彼の言動に一喜一憂している自分が恥ずかしく思え、吾郎はメニューを立ててチュッと口付けた。

「ち、ちゃんと・・・してやったからなっ」

耳まで真っ赤に染めて、ポテトをパクつく吾郎に眉村は柔らかく笑みを零す。

「・・・・・・映画・・・またいこうな」

「・・・・・次はぜってぇ盛らねぇって約束すんなら行ってやる」

「それは、茂野次第だな。」

お互い視線が絡んでクスクス笑う。

たまには、こんなデートも悪くない。

そう、感じた吾郎だった。

/オワリ



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