おかしい・・・・どう考えてもおかしい。
吾郎は、先ほどの眉村の行動について頭を悩ませていた。
最近、よく目が合うことは吾郎も気がついていた。
何か言いたそうに、顔を上げてはすぐに口を噤んでしまう。
言いたいことがあれば言えばいいのに・・・。
「俺・・・嫌われてんのか?」
与えられた部屋でごろんと横になり、窓の外を眺める。
「俺じゃ、力になれねぇのかな?」
悩みがあれば、相談してくれれば、力になれるかも知れないのに・・・
枕を抱いて、思わずため息が洩れた。
時は刻一刻と過ぎて、騒がしかった廊下も今はシン・・・と静まり返っている。
「あー・・・・なんか、モヤモヤすんな!」
先ほどの眉村の様子が気になって仕方のない吾郎は悶々とした空気を追い払うように、ガバッと飛び起きた。
考えてもわからないのなら、直接あって話をしよう!
そう考えて、部屋を飛び出していった。
眉村の部屋の前につきノックをするが返事がない。
いないのかと思い、ドアノブを回すとカチャリっと音を立ててドアが開いた。
どうやら鍵はかかっていないらしい。
中を覗いて見ると、ベッドで横になっている眉村を発見!
どうやら眠っているようだった。
近づいて、覗き込むといつもの切れ長の瞳は閉じられて、穏やかな寝息が聞こえてくる。
(・・・・うわ・・結構綺麗な顔してんじゃん・・・)
ベッドサイドで、頬杖をついて眺めていると、その視線に気がついたのか、ゆっくりと瞼が開いた。
「・・・・・・・・!?」
「よぉ・・起きたか?」
ガバッと飛び起きた眉村を、面白そうに眺めながら笑う吾郎に、眉村は目を白黒させた。
前/ススム