吾郎受け R18

LoveSick


「あー……、腰がいてぇ」

「すまん」

「あれほど激しくすんなって言ったのに、最後は無茶苦茶突きやがって」

ベッドの中でブーブーと文句を垂れるその姿に苦笑して頭を撫でる。

「だから、ガキ扱いすんなって」

「お前が可愛すぎるから、つい我を忘れてしまうんだ」

「可愛くねぇっての。 たくっ、結局欲しいもんはわからず終まいだしな〜」

うつぶせになりチラリと視線だけを向けてくる。

「なんだ、だから俺が欲しいのはお前だって言わなかったか?」

「だから〜、それじゃ結局いつもとかわらねぇじゃん」

「?」

何が言いたいのかさっぱり解からず首を傾げていると、茂野は盛大に溜息を吐きのっそりとベッドから抜け出して卓上カレンダーを持って戻ってきた。

「コレ、明後日が何の日か知らないわけねぇよな?」

トントンと指で示すその先には”クリスマス”の文字。

「この日はお前の誕生日だろ? 何が欲しいかわかんねぇから聞いてんのに、コレだもんな〜」

自分の身体に付いたキスマークを指でなぞり、肩を竦める。

俺は自分の誕生日もクリスマスの事もすっかり頭から抜け落ちていて、目から鱗が落ちる思いだった。

「で? 何が欲しい?」

「……そうだな、強いていうならお前からのキス……か」

「はぁ? だからそれじゃいつもとかわらねぇじゃん」

「ふふ、冗談だ。じゃぁ、外出届を貰って来てもらおうか」

俺の言葉が理解出来なかったのか、眉を顰め怪訝な顔をする。

「クリスマスは、二人っきりの時間が欲しいって言ったんだ」

今の俺に物は要らない。

時間はお金では買えないものだから、二人で過ごせる時間が欲しい。

「へっ、そんなものでいいのかよ。了解! ついでだから24日からの外泊届けにしといてやるよ」

そう言って、茂野はニッと笑う。

「そうだな。じゃぁ、そうしてくれ」

二人で過ごす初めてのクリスマス。

忘れられない一日になるだろうな。



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/ススム



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