吾郎受け R18
LoveSick
「うーん、風が気持ちいい」
一体、どれくらいの間、体を合わせていたのか……。
気が付いたときには白々と朝日が昇り始めていた。
窓を開けると、早朝の爽やかな風が潮風を運んでくる。
僕の直ぐ脇には、ぐったりとベッドに横たわる吾郎君の姿。
「ちょっと、ヤりすぎた……かな?」
「あたりまえだっ!!」
瞳を潤ませ、睨み付けてくるその姿もグッと来るものがあるけれど、やっぱり浴衣と言う最強アイテムには敵わない。
「さ、いつまでもそうしてないで、お風呂入りに行こう」
「そーだな。 汗かいて気持ち悪ぃし」
腰を押さえつつ、起き上がった吾郎君は、備え付けのクローゼットに仕舞った荷物の中からTシャツとハーフパンツを取り出した。
「あれ、浴衣――」
「もう、二度と寿也の前では着ねぇよ! 体がいくつあっても足りやしねぇ」
「えー……、まだ余ってるから使えばいいのに……」
「ぜってぇ、やだ」
――結局、この旅行中、僕がもう一度吾郎君の浴衣姿を見る事はなかった。
前/オワリ