「なんだ、この程度で息が乱れるのか」
「うっせ……んっは……ぁ」
クスッと笑われ、文句を言おうとするその口でさえも嬌声が洩れて、羞恥心が沸き起こる。
ふと気が付けば、腰の辺りに自分とは違う牡の熱を感じ、下半身が別の疼きを伝え始める。
無意識のうちに腰を彼に押し付けるように揺らし甘い吐息が零れ落ちる。
「なんだかんだ言って……積極的だな」
わざと腰を掴み自身を押し付けると吾郎は小さく、
「あっ」
と、悩ましげな声を上げた。
艶っぽい声やその仕草に、キーンは軽い眩暈を覚える。
彼を見ていると、いつも平常心ではいられなくなってしまう。
今も、理性などと言う言葉は何処かへ消え去り無茶苦茶に突き上げたい衝動に駆られ、些か乱暴に腰を突き出させた。
「……っ、吾郎、しっかり掴まってろよ」
「えっ、うわっまてっ! まだ心の準備が……」
「そんなもの今更必要ないだろ」
スルリとハーフパンツを腿の辺りまで引き摺り下ろしすっかり怒張したソレを秘部に宛がう。
ヒクヒクと誘うように蠢くそこに押し当てると、ゆっくりと自身を埋め込んでゆく。
「あっ……んんっ……」
最初の圧迫感は、いつもの事で吾郎は少しでも力を抜こうと必死だった。
喉もと過ぎれば熱さを忘れる。
その言葉どうりゆっくりと律動を開始する頃には、吾郎の口から再び嬌声が洩れ始めていた。
夏と言う独特の開放感がそうさせるのか、通常では考えられない場所での行為に言いようの無い興奮を覚える。
突き上げられる度に、強烈な快感が沸き起こり自然と声も大きくなっていった。
「あっあっ……キーンっ!」
「ずいぶん大胆だな。自分から腰振って。そんなに気持がいいのか?」
「んっ……っは……わっかんねぇよ! わかんねぇけど、とまんねぇ!」
「たまにはハメを外したっていいだろ」
グンッと大きく腰を揺すられ、突き上げられる度に頭の中は真っ白になりもう何も考えられなくなってしまう。
「あっあぁあっ! イクッ……やべっ、イっく!!」
「クッ、凄い締め付けだな」
自身を扱きながら、リズムよく打ち付けられて、吾郎はキーンの手の内に己の欲望を吐き出した。
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