吾郎受け R18

LoveSick


細い道を暫く歩いていくと、海に出た。

「で? ココが俺を連れてきたかった場所なのか?」

防波堤に寄りかかり尋ねると、

「そうだ」

と、いう返事が返ってくる。

(やっぱ、わけわかんねーな。キーンのヤツ。 何にもねぇじゃねーか」

周囲を見回してもコレと言った娯楽があるようにも見えず、何気なく空を見上げた。

「――あ……」

その瞬間、目の前に飛び込んで来たのは、雲ひとつ無い眩い満天の星空。

暑さすら忘れてしまいそうな光景に、吾郎は思わず息を呑んだ。

「どうだ、綺麗だろう?」

スルリと腰に腕を回し、耳元で囁く。

甘く色香を含んだその声に、ゾクリとした。

「たく……、星空くらい俺たちの部屋からでも見えるじゃねーか」

「ココがいいんだ。視界を遮るようなものが何も無い 」

そう言われて見れば……確かにココには建物も、街路樹も何も無い。

あるのは自生している椰子の木と等間隔で設置されている街灯のみだ。

「余計なものが視界に入ると、気分が萎える」

「へっ、そーかよ。ココがお前のお気に入りの場所ってわけか」

「あぁ。 今日は月も綺麗に出てるからな。どうしても、お前を連れて来たかったんだ」

チラリと視線をキーンに移せば、今まで見たことも無いような穏やかな表情を向けられ、吾郎の鼓動は少しずつ早鐘を打ち始める。

「つか、いいのかよ。そんな大切な場所に俺なんか連れてきて……」

「お前だから、連れて来たくなったんだ」

「……っ!」

耳元で甘く囁かれ、生暖かい息がじわりじわりと外の暑さとは別の熱を全身に伝えてくる。

ペロッと、耳を舐められると体がビクリと跳ね上がった。

「んっ、っふぁ……ちょっ、なに考えてんだ、こんなとこで!」

「大丈夫だ。誰も来ない」

「そういう問題じゃ……っ」

吾郎の言葉は最後まで続かなかった。

彼の手は、既にシャツの下から進入し体のラインをいやらしくなぞって行く。

胸の突起に触れられれば、思わず声が洩れそうになり、吾郎は慌てて口を手で押さえた。

「おまっ、なにヤる気になってんだよ」

「スリルがあるほうが燃えるんじゃなかったのか?」

「それは試合中の話で……意味が違うっつーの! こら、何処触って……んぁっ」

抵抗しようとする腕を気にする様子もなく、空いてる手をハーフパンツの中に忍び込ませ自己主張を始めたソレに指を這わせる。

吾郎の意思とは裏腹に硬く反応を示し始めたソレに、気をよくしたキーンは耳を甘噛みしながらゆっくりと扱き始める。

「あっ……ふ……」

敏感な胸や耳を同時に攻められ、ジワリと沸き起こる甘い痺れは媚薬のように全身に広がってゆく。


/ススム



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