「ん、んぁっ、ああっ」
ベッドの軋む音が、早朝の部屋に響き渡る。ゆっくりと抉るような動きで腰をグラインドされ俺は堪らず嬌声を洩らした。
「やっぱお前乳首弱いんだな。ほら、ギュッって締まる」
「あっ、んんっ、うるせ……耳元でしゃべんなっ!」
背面座位で抱きかかえられたまま乳首をギュッと摘ままれて身体が無意識のうちにビクビク震える。
「なぁ、気持ちいいか?」
「あっ、ふぁあっ、き、気持ちイイ……ぁあっ」
両足を抱え込むようにしながら訊ねられ、中でジュニアのブツが前立腺に当たるようにわざと腰を揺すってくる。
頭の中はもう真っ白で、何も考えられず急速に高まる射精感に合わせて俺も夢中で腰を振った。
「ははっ、すっげーやらしいな。シゲノ」
「あっ、ああっ――っ!」
ククッと笑いながら、自身を扱かれ堪え切れずにジュニアの手の中でビュクビュクと精を迸らせた。
「――はぁ。またなし崩し的にヤっちまった」
こんな奴、好きでもなんでもねぇのに。意地悪で、性格悪くて……エロいし。
いつも後に残るのは後悔の念ばかり。
(コイツが起きる前に帰るか……)
そっとベッドから抜けだそうとして、いきなり腕をグイッと引っ張られた。
「うわっ!? てめっ、起きてやがるな!」
「……シゲノ」
「な、なんだよ?」
抱きしめられたまま急に耳元で低く名前を呼ばれ、不覚にもドキリとしてしまった。
「決勝で会うまで、絶対に負けるなよ」
「あ……当たり前だつーの! そっちこそ負けるんじゃねぇぞ」
「俺達が負ける? それは絶対に有り得ねぇ」
フンと不敵な笑み浮かべるジュニア。
そのムカつく余裕こそ、流石王者アメリカって事か。
「でも、勝つのは俺達だからな!」
「ハッ、お前の球なんか、俺のバットで沈めてやるよ」
「やっぱお前……すげぇムカつく」
「それはお互い様だ」
互いに鼻で笑いながら目があい、どちらかともなく口付ける。
ここを出たら俺達は敵同士。
あと少しだけなら、こうしててやってもいいかな。
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