「全く……俺の服が台無しだ」
「……っ、仕方がねぇだろ? いきなりあんな事言うお前が悪い!」
行為後、汚してしまった服を着替えるキーンの後姿を眺めながら先ほどの言葉を思い出していた。
「いきなり、あんな事言い出すなんてずるいっての」
「なんだ?」
「な、なんでもねぇよ!」
熱くなった頬を隠すようにそっぽを向くと、不意に床に落とした携帯に気が付いた。
「やべぇ、落としたまんま忘れてたぜ……ん?」
開きっぱなしになっていたディスプレイを覗くと未だ通話中の表示。
ま、まさか……まさか……。
「も、もしもーし……」
とてつもなく嫌な予感に駆られ、恐る恐る声を掛ける。
「お! やっと終わったか? 今ドアの外にいるんだけどさ財布返してくんない?」
「………」
外!? 外って……外って!?
茫然自失。何事も無かったかのようにロイの財布を握り部屋の外へ向かうキーンの後姿を見送りながら俺は目の前が暗くなるのを感じていた。
337000hitリク下さった方、リクありがとうございました。
そして遅くなってしまい申し訳ありません!
シチュはお任せという事だったのでこんなの出来上がりましたがいかがだったでしょうか?
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
リクエストありがとうございました!
2010.4.20
前/オワリ