移動中のバスの中、誰がいつ起き出してこの行為に気づいてしまうかもしれない。
クチュクチュと卑猥な水音が車内に響き、吾郎を高みへと追い詰める。
いつバレてもおかしくない状況に身体は興奮し甘い疼きが全身に広がってゆく。
「ぁ……っは、もう……っ無理っ」
「なんだ、もう限界か。仕方のないやつだな」
背もたれに身体を押し付けブルリと身震いして悶える吾郎を愉しそうに見つめ短く息を吐く。
「なんなら飲んでやろうか?」
「ぇえっ!? ちょっ、それはっ!……くぅっ」
ニヤリと笑い落し物でも拾うような仕草で腰を屈め吾郎のペニスに口をつける。
拒否する暇も与えらず、生暖かい舌のザラリとした感触に息が詰まりそうになった。
「は……ぁ……っ、だめだっキ、キーンっ」
頭を引き離そうとしてもうまく力が入らず、腰が僅かにくねる。
これ以上ガタガタと背もたれを揺すると、後ろで眠っているであろうワッツに気づかれてしまうかもしれない。
緊張は最高潮に達し吾郎は全身を強張らせた。
「気にするな。イけ」
「は……くっ、ぁあっ!」
そんな吾郎の努力を嘲笑うかのように、ジュブジュブと卑猥な音を響かせながら吸い上げられ堪え切れずに彼の口腔内に濃い精液を放った。
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