(眉村SIDE)
ヤバイ。いつも以上に興奮してしまった。
一度果てた後も衰える事のない自身。
続行してもいいものかと頭を悩ませていると、不意に佐藤に肩を叩かれた。
「なんだ」
「ねぇ、パートナー交換してみない?」
俺の耳元でそう囁く。
「薬師寺見てたら、抱いて見たくなってさ。自分の恋人が他人にヤられる姿って、結構そそられるよ?」
「……っ」
確かに、他の男に抱かれて感じている薬師寺を見てみたい願望はあった。
だが、実際見たら嫉妬してしまいそうだ。
「吾郎君も、まだシたりないみたいだし、構ってあげなよ」
クイッと顎で惚けてぐったりしている茂野を指す。
「なんの話をしているんだ?」
俺たちのやり取りを見ていた薬師寺が声を掛けてきた。
「ん? これからもっと気持ちいい事してあげるって話をしてたんだよ」
「!」
グイッと俺を押しのけて、薬師寺の腰を掴む。
「なっ、さと、ぁあっ、バカッなにす……ぁあっ」
「ふふ、可愛い声出せるんだ。意外だったよ」
ソロリと腹を撫でゆっくりと腰を揺する。
そのたびに薬師寺の身体が妖艶にしなり佐藤の動きにあられもない声を上げる。
他の男に嬲られて快感に顔を歪める姿に、内心複雑ながらも熱いものがこみ上げてくる。
「なぁ、眉村。暇してんだろ? あっちも楽しんでるんだし、俺達も楽しもうぜ」
薬師寺の姿に目を奪われていると背後からスルリと腕を回された。
誘うような瞳にクラクラする。
「そう、だな」
「たまにはいいだろ? こんな夜も」
「あぁ」
腰を引きよせ深く口づける。
「毎回こんな事して佐藤に薬師寺を取られたら困るから、今回だけだ」
「ん……っぅふ、へぇ、あいつにべた惚れなんだな」
クスッと悪戯っぽく笑い背中に腕が回る。
「当然だ」
即答しながら尖った乳首を口に含むと茂野の身体がビクリと跳ねて小さく息を詰めた。
「あッ、は……っ、そこはいいから、早く挿れてくれよ」
悩ましげに息を吐き、足を絡めて腰を押しつけてくる。
「……っ」
この積極性が薬師寺にもあれば……。
そんな事を思いながら、片足を肩にかけ、一気に突き上げた。
「ぁっ、っふぁ、ぁっあっ」
色っぽい声を上げキュウキュウと締め付けてくる。
「くっ、茂野……っそんなに動くなっ」
マグロとまではいかないが余程の事がない限り自分から動く事がない薬師寺とどうしても比べてしまい、茂野の積極性に戸惑いを覚える。
「んっっ、なんで? 動いた方がお前気持ちいだろ?」
はぁはぁと浅い呼吸を繰り返しながら、不思議そうに首を傾げる。
「それはそうだが……っ直ぐイきそうになる」
「ははっ、別にいいじゃん。沢山イけよ。今夜は特別なんだし我慢する必要もねぇって」
首に腕を回しクスクス笑いながら、ゆっくりと起き上がり繋がったまま騎乗位に。
「あっ、っは……っすっげぇ気持ちいいっ」
俺の腹の上で妖艶に腰を使い悩ましげに喘ぐ。
その姿に思わず喉が鳴り、下から腰を掴んで打ち付けた。
「あ――っ、やべっ、それ、ああっ」
気持ちよさそうに喘ぐ茂野。
そうだな、今夜は特別……か、多少ハメをはずしてもバチは当たらないのかもしれない。
そんな事を考えて、だんだんと茂野との行為そのものに夢中になって行った。
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