「……腰、痛てぇ」
「ははっ、ごめん」
ベッドに突っ伏してぐったりしている俺を寿也が覗いてくる。
あれから、一回じゃ飽き足らず数えるのが面倒になるくらいの回数をこなした。
つか、勝手に寿也がサカってきただけだが。
夕方だったのにいつの間にかとっぷりと日も暮れて部屋に差し込むのは月明かりのみ。
「試合、いつだっけ?」
「……明後日とか言ってたな」
「そっか、じゃぁ応援に行くよ」
応援、と言う言葉に思わず顔を上げた。
目の前には目をキラキラさせた寿也の姿。
「いや、応援はいいや」
「えーっ、なんでさ」
俺の言葉に不服そうに身を乗り出してくる。
「だって、応援なんか来たら襲われそうだ」
「ちょっ、人を見境なしの獣みたいに言わないでくれないか?」
「だって、ケダモノだろ」
きっぱりとそう告げると、流石に面食らった顔をした。
「なぁんてな、冗談だっつーの。お前が来てくれたら、きっと俺頑張れそうな気がする」
「え? じゃぁ、行ってもいいのかい?」
「当たり前だろ?」
そう言って頬に軽くキスをした。
「その代わり、マジで襲うなよ」
「だから、襲わないって」
お互い苦笑しながら今度は唇に。
煌々と輝く月明かりに照らされながら何度も甘い口付けを交わした。
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