「ちょっ、何考えてんだっ! コレは借り物なんだぞっ! 汚したらどうす……」
「君が汚さないように我慢すればいい話じゃないか」
畳み掛けるようにそう言って、反動で捲れて露になった腹をペロっと舐める。
「んっ、いいわけ、ねぇっだろ」
片方の手で乳首を、もう片方で半勃ちになった俺自身を弄られ自然と腰が揺れる。
「嫌だ嫌だ言ってるわりに、いつもより興奮してるように見えるけど?」
寿也は意地悪く笑うと腹筋に舌を這わせ始めた。
「ふぁ……ぁっ」
ザラリとした舌の感触にゾクゾクした甘い痺れが全身を駆け巡る。
何かに掴っていないとあられもない声が出そうで、堪らずシーツを握り締めた。
「凄いね、どんどん溢れてくるよ」
クチュクチュとズボンの中から卑猥な音が響く。
腰にクる甘い刺激はダイレクトに脳に伝わり、更なる快感を得ようと淫らな欲望が膨らんでゆく。
「ん、んくっ……ぁあっ」
「腰揺らして、此処もヒクヒクと物欲しそうにしてる」
入り口指で撫でられて疼いていた身体が跳ねた。
挿れて欲しいのに挿れてもらえない、イきたいのにイけないもどかしさ。
そんな俺の反応を楽しむかのように寿也はわざとギリギリの快感を与えてくる。
「ハァハァ、寿……んぅっ」
「イイね、その顔。凄くそそられる」
「んぁあっ、もう……っは」
快楽を求め指先に腰を押し付けるとゴクリと喉を鳴らす音が聞こえる。
「そんなに挿れてほしい?」
「……っ」
その言葉に言いようの無い羞恥心が襲ってくる。
だが背に腹は変えられず、懇願するようにコクリと頷いた。
それを確認すると身体を抱え込まれズボンを膝までずり下げられた。
恥ずかしいとか、そんな事考える余裕も無く一気に熱いモノが押し入って来てその圧迫感に顔をしかめる。
「っは……熱いね、君のココ」
熱に浮かされた寿也の声。
全身が性感帯になったように、その声にすらゾクゾクする。
「あっ、んくっ、ふああっっ」
腰を掴んで激しく抜き差しされ、燻っていた熱が一気に集中する。
目がチカチカするほどの気持ちよさに何がなんだかわからなくなった。
「ああっ、寿っ! 寿ぃ」
「くっ、吾郎君っ!」
切羽詰った声で俺の名を呼び、いっそう寿也の動きが早くなる。
「あっああっ――っ!」
そして……
ギシッギシッとベッドが激しく軋む音だけが妙にリアルに耳に残った。
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