「くっ、ぁあっ……痛ぇよ、馬鹿!」
「……っ」
吾郎君の顔が苦痛に歪む。
慣らしていないソコはキツくてキュウキュウに締め付けてくる。
「息を吐かないと辛いのは君だよ」
「うっせ! わかってるっつーの! ん……っはぁ……ぅ」
自身に手をかけ扱きながらゆっくりと自身を埋め込んでゆく。
熱くねっとりと絡みつく肉壁が強烈な快感をダイレクトに伝えてくる。
全てを収め腰を掴んだまま軽くピストンすると、少しずつ呻き声が艶っぽい嬌声に変わってゆく。
苦しい胸のうちを吐き出すように夢中で突き上げた。
「んぅ……っハァッハァっ……寿……ぁあっ」
熱っぽい視線がぶつかる。
「寿……すっげぇ辛そうな顔してる。……っ何があったか知らねぇけど、……俺は、ずっとお前の側にいるから」
頬をそっと撫でられ、ふっと目が合った瞬間吾郎君が僅かに微笑んだ。
まるで、僕の心の闇を見透かしたように。
「吾郎君……。ごめん」
こんな風に無理やりするつもりは無かった。
ただ吾郎君が僕だけのモノじゃない事が悔しくて仕方なかったんだ。
「謝るなよ。別に、お前とこう言う事するのが嫌だとか、止めて欲しいって言ってるわけじゃねぇんだ。いきなりでちょっと驚いただけだし……」
少し照れくさそうに一旦言葉を切る。
「いきなりはちょっとアレだけど、……結構気持ちよかったりするんだ。だから、その……」
モゴモゴと口篭り僅かに頬が朱色に染まる。
腰をほんの少し動かすと悩ましげに小さく吐息を洩らした。
「どうせヤるんなら、一緒に気持ちよくなろうぜ」
汗で張り付いた前髪をかき上げニッと笑った。
あぁ、どうして君はそんな風に僕の心を簡単に捕まえてしまうんだろう。
さっきまでの嫌な感情はいつの間にかどこかへ吹き飛んでしまった。
「ありがと。やっぱり君は面白いね」
「はぁ? ごめんの次は馬鹿にしてんのか?」
「僕は君が大好きだよって事」
怪訝そうにしている額に軽くキスをして、中途半端だった行為を再開する。
吾郎君は「わけわかんねぇ」なんて悪態をつきながらも徐々に甘い喘ぎを洩らし始める。
吾郎君が僕の名を呼ぶたびに、ゾクゾクする快感が全身を駆け抜ける。
腹に当たる吾郎君のペニスを軽く扱くとナカがビクビクと痙攣して切羽詰った声を上げた。
「凄い。よく締まってる気持ちよさそうだね」
「ふぁ……っ両方いっぺんにされると変になっちまぅ、ぁあっ」
意識的なのか無意識なのか、自分から腰を動かし始めた吾郎君は絶品だ。
「変になっちゃいなよ。僕のことだけしか考えられないくらいにさ」
むちゃくちゃに突き上げたい衝動に駆られて、両足を肩に掛け身体をくの字に曲げて思いっきり打ちつけた。
「うぁっ、あっっ駄目だ! ふぁあっ、イくっ! ああっ寿っ」
吾郎君の身体が途端に緊張し手の内に熱い飛沫が弾けて溢れ出す。
ほんの少し遅れて、僕も思いの丈を吾郎君に注ぎ込んだ。
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