静かな薄暗い教室に、先輩の声が響き渡る。
「お前に、シて欲しいんだ・・・。」
妙にハッキリと強い声。
先輩は、僕の腕を掴んで離さない。
喉がからからで、僕は息をするのがやっとなほど緊張していた。
「は・・ぁ・・っ」
誰もいない教室に、先輩の甘い声が響いている。
「あっん・・あっあっ・・た・・大河ぁ・・・」
声を必死に押し殺して、眉根を寄せて僕の背中に腕が回っている。
隣の教室では今、授業が行われていて、時々カッツカッとチョークで何かを書く音が聞こえてくる。
バレるんじゃないかって、ヒヤヒヤしてたけど、そんなことは先輩の姿を見たら、どうでもよくなってきた。
「はンっ・・・・ああっ!あ!・・・ふぅっ・・・あんっ」
先輩はさっきからずっと、僕の名前を呼び続けている。
僕もだんだん自制が利かなくなって、激しく腰を打ち付けると、先輩の声も徐々に大きくなってゆく。
「先輩っ・・・」
「ああっんっ・・・お、俺・・・も・・・イキそう・・!!」
「僕も。」
「あっあっあっあー・・・・っ!」
最後は、ほとんど同時に性を放った。
先輩、もう藤井先輩のことは気にしなくっていいっすよ。」
「・・・・・・・。」
「僕、別に学校に知れても構わないです。」
先輩が僕の側にいてくれるなら。
そんな悲しそうな顔をしないで欲しい。
僕の、大好きな先輩には、暗い顔は似合わない。
やっぱり、太陽みたいに穢れのない笑顔を見せて欲しい。
僕達の関係は決して公に出来るものでもないし、堂々と一緒に居れるわけでもないけれど、
先輩が一緒なら・・・。
きっと強くなれそうな気がする。
藤井先輩のこととか、これからどうしようとか・・・悩みはつきない。
僕達の恋は、まだまだ前途多難。
だけど、二人でいればきっとうまくいけると思う。
前/オワリ