吾郎受け R18

LoveSick


「先輩の様子がおかしかったから、悪いけど、後つけてたんっすよ。」

「・・・・っ。」

「僕のこと、嫌いになったんなら、ハッキリ行ってください。 二股なんて先輩らしく・・・・」

「違うんだ!・・・俺は別に藤井が好きでホテルに行ったわけじゃ・・・・。」

僕の言葉をさえぎって先輩が口を挟んだ。

好きでもないのに、ホテルに行くってどういうことだよ??

僕は、ますますわけがわからなくって、先輩をにらみつけた。

「俺・・・藤井に・・大河とのこと学校にバラされたくなかったら・・・ヤらせろって言われてて・・・それで・・・」

今にもなきそうな表情で先輩はそういった。

「脅されてたんですか?」

先輩は黙って頷く。

ちっくしょう・・・、僕、先輩が苦しんでるの全然気が付いてあげれなかった。

そっけなかったのは、僕のこと飽きたわけじゃなくて、脅されたからか・・・。

藤井先輩のヤツ・・・・、今度会ったらただじゃ済まさない!!

「大河・・・悪い。俺・・・・」

「先輩は、何も悪くない。悪いのは全部藤井先輩っす。」

僕が抱きしめると、一回り大きいはずの先輩が小さく感じた。

肩を僅かに震わせて、声を押し殺して小さな嗚咽が聞こえる。

「ごめん、先輩。・・・僕がもっと早くに気づいてればよかった。」

「大河・・・・、キスして・・・俺の中から藤井を忘れさせてくれよ。」

頬に伝う涙が先輩の苦しさを物語っているようで、指でそっとそれを拭い唇の輪郭をなぞるように口付けた。

嫉妬で気が狂いそうになるのを必死に抑えて、先輩を安心させるように、できるだけ柔らかくキスをする。

「っふ・・」

唇という器官が繋がっているというだけで、頭の中が沸騰しそうなほど熱くなる。

先輩の服の隙間に手を入れると、身体がビクッと強張った。

やっぱり、止めたほうがいいかも。

いつもなら、強引にヤっちゃうとこなんだけど、今日はなぜか冷静だった。

今、事に及ぶとたぶん先輩をめちゃくちゃにしてしまう。

それじゃぁ、たぶん藤井先輩と変わらない。

優しくしてあげたいけど、今の僕にそんな余裕はない。

首筋に這わせていた唇を離し、身体を離すと先輩は驚いた顔をした。

「どう・・・して・・・」

「今は・・・先輩のこと嫉妬でひどくしちゃいそうだから。」

まっすぐに僕を見つめてくる。先輩の顔を、僕は見れないでいた。

「いい。・・・ひどくしてもいいから。」



/ススム



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