「なんだよ、いるんだったら、なんで出てこないんだよ?」
「ごめんね、先輩掃除してたから気付かなかったんっすよ。」
本当は無視しようとしてたなんて、とても言えない。
でも、先輩は僕の言うこと疑うことなんて全くなくって、もうすでに靴を脱ぎ始めてる。
「先輩、お菓子もってくから僕の部屋に行っといて。」
「おぅ!わかった。・・あ、俺コーラがいい。」
ちゃっかり注文しちゃうところが先輩らしい。
僕は注文どおりコーラを注いで部屋へと向かう。
階段を昇るごとに、僕の鼓動も速くなる。
だって、やっぱり二人っきりだし・・・。
先輩は、いつもと変わりなく僕のベットに座ってた。
僕はできるだけ緊張してることを悟られないように、自然に振舞った。
「おっ、サンキュッ大河。・・・なぁ、そのシュークリーム食っていいのか?」
「もちろん。先輩が甘いもの好きだと思ったから持ってきたんだし、食べてよ。」
嬉しそうにシュークリームをパクつく先輩。
でも、口元にクリームがついていて、それを舌でぺロッと舐める。
なんだか、その仕草にちょっとだけ見とれてしまった。
「先輩手にもクリーム付けてますよ。」
「えっ、マジ本当だ・・。」
僕は、考えるより先に、先輩の手を握ってクリームのついている指をパクっ銜え、チュッチュと吸ってみた。
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