思わず声が漏れそうになり、少しでも声が漏れないように唇の端を強く噛む。
「いい子にしてたら痛い事しないから。俺達別に薬師寺を苛めようと思ってるわけじゃないし」
「・・・・っ・・・・バカ言ってんじゃ・・・ねぇよ。俺はぁっ・・・・チビとヤる趣味はねぇんだよ」
「 ・・・・・・・・・・・へぇ? そんなこと言っちゃっていいんだ?」
カチンときた渡嘉敷の瞳が怪しく光る。
「薬師寺さぁ・・・自分が置かれてる立場考えてから物言ったほうがいいと思うよ?」
耳の中に舌を入れられ大きく響く水音に背筋がゾワゾワする。
「お前ら・・・ぁっ・・こんな・・・事して・・・イイとおもってんのかよ・・っふ・・・」
「いいと思ってるからヤってんに決まってるだろ♪」
嬉しそうにそう言って、阿久津が両足を抱え込み、薬師寺のズボンを脱がしにかかる。
「わぁっ・・・バカッ!! やめろ変態っ」
ジタバタ暴れて本気で抵抗しようとしたその時だった。
どこからともなく、鼻から抜けるような甘い喘ぎ声が聞こえてきて、3人はぴたっと動きを止めた。
「・・・・・・・・あれ? 隣って確か眉村たちの部屋だったよな」
「そうそう、市原と、大場と・・・・茂野の4人」
「もしかして・・ヤってんの眉村だったりして・・・」
眉村という単語に、薬師寺の眉がピクリっと動く。
そんな彼の変化に気がつくことなく二人は薬師寺を押さえつけたまま話を続ける。
「よく聞いてみれば、茂野の声に聞こえない事もねぇし。」
「茂野と、市原とか大場じゃ・・・あんま接点ないしな」
(・・・・・茂野と眉村が・・・・!?・・・・・・・冗談じゃねぇっ!)
「ふ・・・・ざけんなっ!!・・・・アイツがそんなことするはず・・・ねぇよ!!」
「「!?」」
押さえつけていた二人を物凄い勢いで振り払い怒りのオーラを露にする薬師寺。
そのあまりの形相に二人はギョッとした。
「でもよ・・・・考えてみりゃ、俺達の部屋片方は廊下だから、聞こえるのは眉村たちの部屋しか・・・・・」
阿久津の余計な言葉に薬師寺のこめかみがピクピクっと反応する。
いてもたってもいられなくなった薬師寺は勢いよくドアを開け、なぜかその辺にあった枕を掴んで、隣の部屋に殴りこみにでも行くような勢いで飛び出していった
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