「吾郎君! 明日の対戦する選手のデータ持って来た……よ」
「!?」
突然開いたドアから寿也が現れて、俺は咄嗟にその辺にあった毛布を掴んだ。
「無用心だよ、鍵も掛けずに……って、何やってんの?」
「えっ? いや、アハハ。 ちょっと具合悪くて」
訝しげな表情を向けてくる寿也を何とか交わそうと口から出任せを言う。
「具合悪い? そのわりに顔色はいいけど……」
淡いグリーンの瞳に見つめられると、全てを見透かされそうな気がして背中に冷たい汗が伝う。
少しずつ近づいて来るたびに、俺の鼓動は早くなってゆく。
「うっすらと汗かいてる」
「……っ」
頬に冷たい手が触れる。
寿也に触れられただけで、中途半端だった身体の熱が上昇し下半身が疼いた。
「今、何してたの?」
低い声が耳元に甘く響く。
確信を持っているようなしっかりとした声。
「えっ、えっとだな……それは」
旨い言葉が見つからずしどろもどろになった俺を見て、寿也はクスっと笑った。
「当ててあげようか」
「……ぁっ」
耳に息を吹きかけられ堪らず声が洩れた。
その様子を愉しそうに見つめ、寿也の腕が毛布の中に侵入してくる。
「君は具合悪いとズボン脱ぐのかい?」
「……っ、ちがっ」
太股に手が触れて、ビクリと身体が震える。
一つ一つ俺の表情を観察しながらゆっくりと上ってくる手の平が足の付け根を弄り身体の芯が疼いた。
「んっ」
見られてる。そう思うと益々身体が熱くなる。
「可愛い声出して、誘ってるのかい?」
「さ、誘ってなんかねぇっ!」
ペロリと唇を舐めながらにやりと笑われて、慌てて視線を逸らした。
「ふぅん、ココこんなにして。指も簡単に銜え込んでるのに?」
「あっ、ソコは……ぁっあっ」
クチュっと音が響き、寿也の長い指先が秘部に侵入してくる。
自分じゃ届かない場所を刺激されて電流が体中を駆け巡る。
「凄い顔してるよ。誰の事を想像しながらしてたのさ」
「……っ」
わかってるくせに、意地悪な笑みを浮かべながら尋ねてくる。
「言えないんだ? ふぅん……WBC開催中はオアズケだって言ったのに我慢できないなんて、これはお仕置きが必要みたいだね」
「え”っ!? お仕置きってお前」
なんか嫌な予感がして、火照っていた身体から一気に血の気が引いてゆく。
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