「僕も、ずっと君の事を考えてた」
額がくっつき、ゆっくりと顎を持ち上げられる。
未だかつてこんなに人と顔を寄せ合う事など無かった吾郎はどうしてよいのかわからず、その瞳をギュッと瞑った。
それとほぼ同時、唇に何か柔らかいものが触れ合う。
ギョッとして目を見開くと、さっきよりもずっと近くに寿也の顔。
チュッチュッと付いては離れ、離れてはまた唇を塞がれる。
「んっ!? んんっ???」
キスしてる。
ソコまでは理解できた。
が、寿也は口唇を開かせ、自らの舌を口腔内に割り込ませてきたのだ。
頭をガッシリと押さえつけ、何が何だかわからずに居る吾郎の舌を絡め取る。
「ん……んぅ……っふ」
じわじわとせり上がってくる、不思議な感覚に自然と鼻から抜けるような甘い声が洩れ全身の力が抜けてゆく。
「好きだよ、吾郎君」
そっと唇を離し、耳元で甘く囁かれ全身がカァッと熱くなった。
「っと、寿君、恥ずかしいよ」
「ふふ、ゴメン。でも本当の事だし吾郎君だって、キスされて嫌じゃなかったんだろ?」
クスッと笑いながら、首筋に唇を寄せる。
「ぁっ!?」
ペロッと舐められて、ゾクリと背中が震えた。
「と、寿くん。止めろよ俺、汗かいてるから汚いって」
「汚くないよ。凄く綺麗だ」
構わず鎖骨に吸い付かれ今まで感じた事のない感覚に戸惑う。
どうしていいのか判らずに居ると、寿也の手が股間に触れてきた。
「ぅわっ!? っ止め……っ何処触って……あっ!」
下から上にツツっと撫で上げられ、ビクリと身体が強張った。
「ここ、自分で触った事ある?」
悪戯っぽく笑いながらズボンのフックを外し下着の中へ手を入れる。
「やっ、あっあっバカッなにするんだよっ」
まさか自分以外の人物に触れられる時が来るなど微塵も思って居なかった吾郎は半ばパニックに陥りながら必死にその手を引き離そうと試みた。
ところが構わず指で刺激され、自分の気持ちとは裏腹に下半身に甘い痺れが広がってゆく。
「んっふ……ぁあっ! と、寿君、やっなんか変。あっ……ぁあっ」
「凄いよ吾郎君。僕の指をもうこんなに濡らしてる」
「あっ……アッ言うなよ、ああっ」
クチュックチュッと下着の中から聞こえてくる音を自分が発していると思うと、恥ずかしくて堪らず寿也にしがみついた。
身体が熱くていう事を聞かず、どんどんと高みへと追い詰められてゆく。
「ハァハァっあっ……おしっこっ……寿君おしっこ出ちゃう……離せよ、ああっ」
「いいよ、ここで出しちゃいなよ」
「は……ぁっ!? なに言ってんだよ、そんなのぜってぇ嫌だかんな……ぁあっ!」
しれっと言い放ち、さらにスピードを上げて自身を扱かれ先走りの液が堰を切ったようにとろとろと溢れて寿也の指を濡らす。
その様子を愉しそうに眺めながら、寿也は尿道に爪を立てた。
「ふあっぁあっ……だめっ……漏れるって……ぁっ寿君っあっあっあーーーっ!!」
その刺激に耐え切れず、吾郎はあっという間に寿也の手の中へ精を放った。
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