数十分後、勢いよく部室に飛び込んできた寿也に吾郎ははにかんだ表情を向けた。
「吾郎君っ」
ギュッと抱きしめられると自然に鼓動は早くなる。
何か言おうとして顔を上げた刹那貪るように口付けられ、貪欲に口腔内を犯されてゆく。
「んっ……ふっ」
先ほどの痺れが残る身体は従順に反応を示し、吾郎もそれに応えるかのように舌を絡ませ息も出来ぬほどの口付けを繰り返す。
「吾郎君……僕もう我慢できない」
「……っ!」
「君と一つになりたいんだ」
耳元で甘く囁かれ、吾郎は一呼吸置いてからコクリと頷いた。
「あっあっ! 寿ぃっ」
ギシギシッっと備え付けのベンチの軋む音と、艶のある声。それとパンパンと肉を打ち付ける音が混ざり合い、部屋中に響き渡る。
吾郎はベンチにしがみついているのがやっとで、後ろからの激しい突き上げにただひたすら喘ぐことしか出来なくなっていた。
「クッ……吾郎君すごい締め付け……そんなに気持ちいいのかい?」
「は……ああっイイ……すっげぇおかしくなりそ……」
「僕もだよ!」
腰を掴んで的確に前立腺を突かれ激しく揺さぶられてそのたびに身体を震わせる。
自然と自らも腰を揺すり互いに激しく求め合っているまさにその時、部室のドアの隙間からそれを覗いている人物が一人。
山田に呼び出された後、自分の荷物を取りに戻って来たのだが、この有様で入るに入れなくなってしまったのだ。
(うわ、茂野先輩すごく気持ちよさそうな顔してる)
覗いてはいけないと思いつつ、つい目が離せなくなってのめり込んで見ているうちにだんだん自分もおかしな気持ちになってゆく。
自然と手が伸びて、激しく求め合う二人を見ながら大河は夢中で自身を扱いた。
「あああっ……寿ぃも……だめっイくっ! はぁ……イくっ!!」
一際甲高い声を上げて吾郎が果てるのとほぼ同時。
大河と寿也もそれぞれ白濁を吐き出した。
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