「吾郎君、ハンズフリーでテレビ電話しようか」
「へ?」
「出来るだろ?」
突然の寿也の申し出に、あぁ、そういえばそんな機能もついていたかもしれない。と、痺れる思考回路のまま携帯を弄る。
小さな携帯の画面に寿也の姿が映し出され心臓が一気に跳ね上がった。
自分の姿も今彼に見られているのかと思うと羞恥心でどうにかなってしまいそうだ。
「すっごくやらしいね」
「あっ、バカッ見るなよ」
ちょうど、互いに全身が見える位置に携帯をセットし見詰め合う。
「もっと見たいから、足を開いてよく見せて」
「……っ」
言われたとおりに少しずつ股を開き携帯の画面に映し出す。
その様子に寿也が息を呑むのがわかった。
「すごいよ……吾郎君……もうびしょびしょじゃないか」
「バカッ言うなよっ」
恥ずかしくて仕方が無いのに、自身を擦る手はどんどんスピードを上げてゆく。
その行動につられる様にして画面の向こうでは寿也も同じように自身をシュッシュっと扱きあげていた。
「っ……は」
互いの携帯からは卑猥な音と熱い吐息を洩らす音が響いてくる。
「ああっ……寿、俺……イキそっ」
「はぁ……はぁ、僕もだよっ」
互いに動かすスピードを速め上り詰めてゆくのを感じて、身体が一気に熱くなる。
「あっ……あっ……寿っ!!!」
見られていると言う興奮は、あっという間に吾郎を呑み込んで手の中で果ててしまった。
それとほぼ同時に、寿也も身体を震わせて果てるのがわかって吾郎は恥ずかしさのあまり苦笑した。
「はぁ……はぁ、やっぱり……こんなのじゃ足りない……君に逢いたい……今からソコに行ってもいいかい?」
熱く息を吐きながらそう言われすっかり脱力感に浸っていた吾郎は、コクリと頷いた。
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