宴会はさらにヒートアップして大盛り上がり。
その時、三宅が首をかしげた。
「なぁ、ここに置いといた酒知らんか?」
「酒? そんなもん用意してたのか」
「ああ。ほんの少しだけ……さっき一杯分ついでここに置いといたんやけど」
チラリと吾郎に視線をやり三宅はため息をついた。
「なんゃ、茂野が飲んだんかいな」
「んー? 俺はぁ、なぁんにも飲んでねぇぞ」
既に頬は紅潮し、へっへっへと笑っている。
すぐ側に眉村がいて、吾郎は彼の肩にもたれかかった。
「なぁ……眉村ぁ……キスしよぉ?」
「な、なに?」
上目遣いで見つめられ眉村の視線は釘付けになった。
「だ、ダメダメ!! 吾郎君! ダメだよ!」
「んー、俺は眉村がいいーの!」
制止しようとする寿也を無視して吾郎は首に腕を回す。
「眉村! 僕の吾郎君に手ぇ出したら……許さないよ?」
ゴゴゴゴッとものすごいオーラを背負って、眉村を睨み付けるがそれよりも早く、吾郎自ら彼の口を塞いだ。
「!!!」
眉村は一瞬固まって何事が起こったのか理解できず思考が停止していた。
ハッっと我に返り、寿也を見る。
「ま、待て佐藤! 今のは不可抗力だ!!」
「わかってるよ。さ、吾郎君部屋に戻ろう!」
未だに眉村にしがみついている吾郎を引き離そうとすればするほど吾郎は彼に引っ付いて離れない。
「ヤダ。今日は俺、眉村と寝る!」
ふるふると首を振り、眉村に頬を寄せる。
眉村は、どうしてよいかわからずにそのままの状態で困った表情を見せた。
他のメンバーたちは、未だに盛り上がっていて三人の様子には気付かずにいる。
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