「――吾郎君……起きて」
早朝、まだ明け方と言うには早すぎる時間に吾郎は寿也にたたき起こされた。
「あんだよ……まだ夜じゃねぇか……もう少し寝かせろよ」
再びウトウトし始める彼を寿也はゆさゆさと揺り起こす。
「どうしたんだよ、一体」
眠い目をこすりながら起き上がると、目の前には切なげに吾郎を見る彼がいて不思議そうに眉を顰める。
「僕やっぱりガマンできそうにない。シようよ、ね?」
吾郎は下においてあるカレンダーをチラリとみた。
禁欲宣言から五日。寿也はもう限界だった。
(まぁ、五日も経てばいいかな?)
そんな気がして吾郎は少し躊躇いながらもコクリと頷いた。
「あ、でも俺の布団じゃ嫌だからな」
「わかってるよ。ほら、早く」
そう急かされ、吾郎はしぶしぶ梯子を降りる。
足がつくかつかないか微妙なところで腕を引き寄せられ、彼のベッドへと倒れ込んだ。
「たくっ、痛てぇっての!」
文句を言おうとしたが、既に服の中に手を入れられ耳たぶを甘噛みされる。
「あ……っがっつくなよ」
「ゴメン。でも……君が欲しくて仕方ないんだ」
「……っ」
性急に刺激されて、吾郎も久しぶりのその感覚にゾクゾクするような痺れを感じていた。
「もう、イれたい」
「はぁっ!? いくらなんでも、早すぎっ……いっ!」
驚愕する吾郎を無視するかのように無理やり下着とズボンを脱がし、強引に押し入ってくる彼に堪らず吾郎は苦痛の表情を見せた。
しかし慣れてしまっている身体は、喉元すぎれば熱さを忘れすぐに快感がこみ上げて来る。
「はっ……ああっ……寿……ァッ」
怒張したソレに激しく突き上げられ、競りあがって来る強い刺激にビクビクと身体を震わせた。
「あっあっんっ……ちょぉ……もっとゆっく……りぃっ」
「ごめん! 僕、もうイキそう」
「あっ……ぁあっ……へ……ぇえっ!?」
寿也の言葉に目を丸くしたとほぼ同時に、彼の身体がビクッとしなり吾郎の中で果てる感覚があった。
「……おい、寿……ちょっと早すぎ」
ハァハァと息をする寿也に、吾郎は虚しさがこみ上げてきた。
「ってゆーか俺まだ、全然」
「ごめんね。僕、ずっとガマンしてて。あまりにも気持ちよすぎちゃってさ」
ハハッと笑う寿也に、未だ自分の熱が治まらない吾郎は困惑した。
そんな彼を見て寿也は笑う。
「大丈夫だよ。今日は朝まで頑張るから♪」
「あ、朝までって今から四時間もあるじゃねぇか!!」
「だって、五日分まとめてスるんだし……そのくらいかかるだろ」
再び余裕を取り戻した彼と、たじたじの吾郎。
二人のリズムがぴったりと合うのはもう少し先のことになりそうだ。
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