「あっ……っ」
佐藤の長い指が前立腺の辺りを掠めるたびにゾクリっと背中に電流が走る。
先走りに濡れた自身が佐藤の手を濡らしクチュリと卑猥な音が響く。
そんな恥ずかしくて堪らない光景が羞恥心を煽りいつも以上に感じてしまっていた。
「そろそろいいかな」
「!」
足を抱え込み、大きく割り開いた股の間に身体を滑り込ませ秘部に熱いモノが押し当てられる。
次に来る衝撃を想像し内部がヒクリと震えた。
「ん……っ!」
グッと先端が内壁を押し上げ、指とは比べ物にならないほどの質感が入ってくる。
自然と身体が震え熱い吐息が漏れた。
じわりと沸き起こる快感に少しでも声が漏れぬよう手の甲を噛んで洩れそうになる声を
必死に抑えた。
こんな声アイツ以外に聞かせたくない。
ふとそんな事を考え胸が苦しくなった。
「……今、眉村の事考えただろ」
「え?」
声のトーンがいつも違う佐藤に違和感を感じ思わず顔を上げる。
そこには目を細め恐ろしい程冷ややかな表情の佐藤が俺を見下ろしていた。
「僕とヤってる時に他の男の事を考えるなんて許せないな」
「な、何言って…っぁあっ!」
グンッと乱暴に突き上げられ、あられもない声が洩れる。
「なんだ、ちゃんと声出せるんじゃないか」
ほかの事なんか考えられないようにしてあげる。
そう言うが早いか片足を肩に掛け、腰を高く持ち上げて激しく抜き差しを開始した。
「あっ、ぁあっ! 佐藤っちょ……苦し……」
下腹部に感じる圧迫感で息が詰まりそうになり苦悶の表情を浮かべる俺を相変わらず冷ややかな目で見つめながら手を緩めることなく打ち付けてくる。
他の事なんか考える余裕なんて全然無く、断続的に襲ってくる快感の波に呑まれそうになっていく。
ところが――。
前/ススム