「お前は本当にそれでいいのか？」
「え？」
「好きでもない奴と関係を持ったとして、虚しいだけだろ」
後から自己嫌悪に陥るのは目に見えている。
目には目を歯には歯を。
そういう考えも悪くは無いと思うがそれじゃ何も解決しないんじゃないのか？
「ハハッ、薬師寺まじめに考えすぎだよ。 遊びだって割り切ってればどうって事ないじゃないか。それに――」
「！？」
グッと物凄い力で腕を引き寄せられバランスが崩れる。
あ！ と思った時にはベッドに組み敷かれた後だった。
「僕、薬師寺の事嫌いじゃないんだよね」
「ちょっ、さと……っ」
ベッドに縫い付けられた状態のまま強引に口付けられる。
軽々と片手で腕を押さえつけられ、顎を捉え舌が口腔内に進入してくる。
「ん……は……」
絶妙な舌遣いに鼻から抜けるような声が洩れた。
「フフッ、感じた？」
「なっ、ちがっ！」
にやりと笑われて、咄嗟に顔がカァッと熱くなる。
そんな俺の態度に気を良くしたのか、首筋に鼻を寄せ吸い付く。
ゾクリと背筋に甘い痺れが走り、無意識に身体が震える。
気が付けば服の中に手が進入していて乳首をキュッと摘まれて堪らず声が洩れそうになり慌てて口を手で押さえた。
「……っ、佐藤っやっぱりこう言うことは……」
「こう言うことは何？ こんなにしてて、今更嫌だとは言わせないよ？」
いつの間にか勃ちあがり始めた俺自身をズボンの上からなぞり、胸板に唇が寄せられる。
敏感になった胸の飾りに舌のザラリとした感触。
ジワジワと競りあがってくる快感に自然と腰が揺れた。
「ぁっ……これはっ」
「いい加減認めなよ。好きなんだろ？ こう言うことするの」
直に自身を扱きながら怪しく笑う。
段々と呼吸が荒くなっていく俺の反応を楽しむかのように強弱をつけて扱かれ身体の中心が疼きだす。
「此処も物欲しそうにヒクヒクしてる」
「……っ、んんっ！」
佐藤の意外とゴツゴツした指先が後孔を弄り内部を侵食していく。
前と後ろを同時に刺激され思わず声が洩れそうになって、シーツをぎゅっと握り締めた。
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