吾郎受け R18

LoveSick


「ふ・・ふふ・・・。」

「なんだよ。笑うことねぇだろ?」

思わずこみ上げてきた笑いは安心した証拠。

「バカだよ・・・吾郎君・・・」

ほんと・・・バカだ。

君を誰かに取られるくらいなら、いっそ初めから僕のものだと公表したいくらいなのに・・・。

「バカってなんだよ・・・俺は真剣に俺たちの将来を思って・・・」

「それで? 将来を思って決断したくせにどうしてあやまるのさ。」

後悔していないのならずっと嘘を吐き通せばいいだけのはずなのに・・

「・・・・辛くなったんだよ・・・お前を傷つけてそのままでいることが・・・。」

やっぱ自分の気持ちに嘘は吐けねぇ。

そう言って、僕に身体を預けてくる。

ふわりと鼻を掠める吾郎君の香りに自然と鼓動の高鳴りを感じた。

「・・・やっぱ・・・ココが一番落ち着く」

そっと抱きしめると、少しはにかんだ表情を見せる。

どうして君は、いつもそうやって僕の心をかき乱すのだろう。

君の行動や言動に一喜一憂して僕ばかり振り回されて・・・・・

なんとなく悔しい。

「・・・・・なぁ・・・寿也は俺のこと・・・今でも好きか?」

上目遣いで尋ねられドキリとした。

だけど・・・・・

「嫌いだよ。・・・君の事なんか」

「えっ!?」

驚いたように眼をコレでもかというほど丸くして、ガバッと飛び起きた吾郎君

僕はその頭を引き寄せて唇を塞いだ。

「ん! んん!?」

混乱してわけがわからないって顔で僕を見る。

「ふふ・・・・さっきのは冗談」

「へ?」

「好きに決まってるだろ?」

耳元でそう囁くと、吾郎君はバッっと顔をあげて視線が絡み合う。

「僕を騙したお返し」

本当はこんなもんじゃ足らないけれど・・今日のところは勘弁してあげるよ。

そういうと、吾郎君は恥ずかしそうに笑った。

「・・・・・バカやろう・・驚かせやがって」

「それは、お互い様だろ?」

時がまるでスローモーションで動いているかのようにゆっくりと閉じられてゆく瞳。

自然に絡んできた腕を背中に感じながらゆっくりとベッドに雪崩れ込んでキスをする。

「んっ・・・」



/ススム



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