「!?」
なんだ?
猫か??
中途半端な熱のまま、そっと覗いてみると、窓に手が!!
「!!」
ニュッっと姿を現した黒い影。
俺はあまりの恐怖に、自分が今どんな格好でいるのかも忘れ驚いた。
なんだ!? 変質者か!?
「すごい格好してるんだね。吾郎君」
突然現れたソイツは、目をギラギラさせながら俺に冷ややかな視線を送ってくる。
「って、寿也かよ」
そう、真っ黒い変質者の正体は寿也だった。
さっきまで通話状態だった携帯はいつの間にか切れていて、ジッっと俺の姿を舐めるように見つめてくる。
あ、やべっ俺……下半身丸出しでケツにマーカー突っ込んだまんま。
「へぇ、君は一人でスる時もそうやって後ろ弄ってるんだ」
「なっ違っ、今日は偶々……」
「たまたま……ねぇ」
ギシッとベッドが沈み込んで、いきなり俺のケツに刺さっているマーカーをグッと押し込む。
「ふぁあっ!」
そのままグチュチュチュと激しくかき回されて、強烈な快感に思わず腰が浮いた。
「やっ、あっあっ……寿、止めろよっ」
「淫乱だね。マーカーで感じてるなんて」
「は、ぁあっ……も、頼むから……ぁ」
目の前に、夢にまで見た寿也がいる。
そう考えるだけで、体が寿也を欲しちまっている。
「何をお願いしたいの?」
そう意地悪く聞き返されて、俺は言葉に詰まった。
だけど、中途半端なまま燻っている体がどうしても抑え切れなくて、俺は寿也の胸倉を掴んで引き寄せて囁いた。
「寿也が……欲しい。も、我慢できねぇよ」
「……っ!!」
次の瞬間、俺の世界は暗転し、尻を高く上げたまま枕に突っ伏するような格好にさせられた。
窓を閉める音と、カチャリとベルトのバックルが外れる音。
研ぎ澄まされた聴覚に響くだけでゾクゾクする。
「行くよ、吾郎君」
「えっ、あっ……ちょぉ待てっ! まだマーカー入ったままっ」
「淫乱な君にはこのくらいが丁度いいんじゃない?」
クスクス笑いながら無理やり押し入ってくる寿也。
「あっ、ムリッ……いてぇっ、ああっ!」
寿也が入ってくるたびにマーカーが内壁を抉って、結構苦しい。
ただでさえ、寿也でも一杯一杯なのにマーカーなんか無理だって。
「やぁあっ、抜けってっ……無理だっつーの!」
「大丈夫だろ? もっといけそうじゃないか」
「な、何言って……っんぁあっ」
構わず全てを埋め込むと、マーカーを突き刺したままゆっくりと動き出す。
寿也が動くたびにマーカーも中で暴れまわって、おかしくなっちまいそうだった。
「やっぱ、きついね。キュウキュウに締め付けてくるよ」
「ひゃっ……ああっあっ、苦しっ」
俺が抜いてくれって懇願してみても一向に聞いてくれる気配は無くて、マーカーぶっさしたまま腰を掴んで激しく揺さぶられる。
もう、とにかく俺は枕に顔を埋めて、意識が飛びそうになるのを我慢するほかは無かった。
「ああっ、ダメッ変になっちまうっ」
「変になればいいさ、僕しか見てないんだから」
「そんなっ、あああっ……っ!」
ガンガン突き上げられて、俺はもう何も考えられねぇ。
ただ、ひたすら寿也の与える刺激に翻弄されて、無我夢中で腰を振っていた。
「ふふ……淫乱だね、そんなに気持ちがいいの?」
「アッアッいいっ……すっげぇ気持ちイイっ」
「そっか。じゃぁ、もっと気持ちよくしてあげるよ!」
いつの間にか、マーカーは自然に抜け落ちて、寿也が俺の脚を掴んで突っ込んだまま身体を反転させられた。
そのまま横から激しく腰をグラインドさせられて、もうわけわかんねぇ。
今が早朝で親父たちが隣で寝てるって事すっかり忘れて、頭の中は真っ白になった。
「あっ、ああっ、も……イクっ! イクッ、あっあっあ――っ!!」
一際大きく仰け反った後、俺は意識を失った。
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