「服も短パンもベタベタだね」
ふと、悪戯心が芽生え、膝頭に付いた練乳をペロリと舐める。
「……っ馬鹿、何しやがる」
「拭くより、こっちのほうが綺麗になるよ」
クスッと笑いながら、太股に舌を這わせる。
「あ……っ……」
ザラリとした舌の感触に、吾郎は思わず身震いをした。
ピチャピチャと響き渡る水音が羞恥心を掻き立て、甘い快感が込み上げてくる。
モジモジと腰を揺らし始めた吾郎を嘲笑うかのように、彼は際どい部分を撫でてあくまでも練乳がかかった部分だけを舐めあげていく。
「んっ……寿ぃ……そこじゃねぇだろ……? こっちっ」
「そこはかかってないだろ?」
熱い息を吐きながら、もどかしく腰を押し付けてくる吾郎を見て、寿なりはニヤリと笑った。
「っお前が変な事するから……」
「シたくなった?」
「……っ!」
既に熱くなった股間を指でなぞられて、ゾクリと背筋が粟立つ。
一瞬躊躇ったが、生理的欲求には勝てずに吾郎は小さく頷いた。
ギシッ……。
二人の重みでベッドが沈み込む。
何度身体を重ねても、この瞬間だけはいつも緊張した。
一度繋がってしまえば、もう何も考えられなくなってしまうのに
この瞬間は、どうしても羞恥心ばかりが先にたつ。
「どうしたの、緊張してる?」
「はっまさか、何言ってんだよ。」
強がっていても、自然と表情が強張っている。
そんな彼の緊張を解すように、顎を持ち上げてゆっくりと口付けた。
「んっ……寿……っ」
触れた唇から、互いの熱を感じる。
ついては離れ、離れてはまた唇を塞がれる。
啄ばむような甘いキスは、やがて深く激しいものへと変わってゆき、次第に吾郎の全身から力が抜けていく。
「ふふ……可愛いよ吾郎くん」
「野郎に可愛いなんて、言うんじゃねぇよっ」
熱い吐息を吐きながらほんのり頬を染めて、嫌そうに眉を寄せる。
そんな仕草も全てが愛しくて、堪らずギュッと抱きしめた。
前/ススム