吾郎受け R18

LoveSick


(それにしても、どうやって取るんだよ……コレ)

ベッドに寝転がり、うーんと頭を悩ませる。

確か、童話ではランプをこすればランプの精が出てきたはずだ。

吾郎は、恐る恐るランプの腹の部分をこすってみた。

カランっ

小気味いい金属音と共に、ランプは吾郎の手から離れ、床に落ちた。

けれどもそれっきり、そこから何か出てくると言う事もなく、首をかしげる。

(手から外れりゃ、ただのランプじゃねぇか)

色々悩んだが、とりあえず机の上に飾っておくことにした。

「あれ、吾郎君。スパイクはもう買ってきたの?」

ちょうどそこに、寿也が戻ってきてにこやかに話しかけてくる。

「買ってきたのは、いいんだけどよー、変なオマケがついてきちまって」

「オマケ? なんだい、それ?」

「これだよ、コレ。願い事が叶うだかなんだか知らねぇけど」

吾郎が、ランプに触れて、寿也に見せると、彼は不思議そうな顔で吾郎と手の中にあるものを見比べる。

「そこに、何かあるのかい? 僕には何も見えないんだけど」

「は? 何言ってんだよ!? ここにちゃんとあるだろ、黒いランプが! 触ってみろよ」

寿也がランプに触れようとすると、透けてそのまま吾郎の手にタッチする。

「あ、あれ?」

「やっぱり、何も無いじゃないか。ちょっと疲れてるんじゃないかな?」

(お、俺以外のやつには、見えないし触れないのか)

訝しげな表情をする寿也に、吾郎は軽いめまいを起した。


/ススム



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