「じゃぁ、先行くからな。薬師寺、あとで部屋来いよ」
「ああ、お疲れ」
きつかった練習も終わり、いつもどおり仲のよい米倉と部屋へ遊びに行く約束をして彼は汗で張り付いたユニフォームに手をかけた。
アンダーシャツを脱ごうと裾に手をかけたその時、誰もいない部室に眉村が入ってくる。
眉村は、目の前に飛び込んできた薬師寺の姿に思わず息を呑んだ。
視線はめくれた服の隙間から覗く白い肌に集中し、ドキッとする。
「なんだ眉村。まだ着替えてなかったのか」
薬師寺はその視線に気がつき慌てて彼に背を向ける。
誰もいなくなった部室に二人きり。
否が応にも意識してしまっていた。
背後に少しづつ近寄ってくる彼の気配とともに薬師寺の鼓動も少しづつ速くなる。
ふいに肩を掴まれ、身体を反転させてその勢いでロッカーにどんっと押さえ込まれた。
「ば、バカ! なに考えてるんだっ!」
すぐ目の前に彼の顔があり、あっと思ったときにはもう首筋に唇を付けられていて薬師寺は焦った。
無理に引き離そうとして両手で突っぱねてみるが、投手の力に適うはずもなくキュッと吸い付かれて肩がビクンと反応する。
「やっ・・・ぁ。止めろって・・!!」
左手は既に服の中をまさぐり必死に閉じていた足の隙間に右足を差し込まれ身動きが取れなくなった。
「バ・・カっ!・・こんなとこ・・誰かに見られたらどう・・・すんだッ・・ぁっ」
「俺は、構わない」
いつもの口調で言い放ち、既に硬くなっている胸の飾りに刺激を与える。
「あ・・・っ・・バカやろっ・・・触るなっ・・・はぁっ・・・。」
摘んだり、押したり引っかいたりするたびに、切なげな声をあげそれでもなんとかこの行為を止めさせようと時々身をよじる。
「てめぇ!・・・こんなとこでシやがったらもう口聞いて・・・やらね・・ぇからっ」
「五月蝿い、口だ」
「なっ!! んぅ」
迷惑そうに呟き文句を垂れるその唇を奪う。
強引に閉じている唇をこじ開け、逃げる舌を追いかけ吸いつく。
歯列をなぞり、貪欲に口付けると薬師寺の口から堪らずくぐもった声が洩れ、舌を絡ませれば諦めたのか、そろそろとそれに応じてきた。
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