眉薬 他
LoveSick
「おい、寿・・・なんかお前に荷物が届いてるぞ」
部屋に戻ってくるなり、吾郎は預かってきた小さな荷物を寿也に放り投げた。
「わぁっ、ダメだよ。乱暴に扱っちゃ!」
それを床に落ちる寸前で受け止め、寿也は彼をにらみつけた。
「なんだ、そんなに大事なもんが届いたのか?」
吾郎はその箱の中身がとても気になる様子で、寿也の前をウロウロ。
けれど、彼は箱を開けようとせずジッと吾郎の様子を伺っていた。
「俺には見せれないのか?」
「ゴメン。とっても大事なものだから」
そう言ってにっこりと笑う寿也を吾郎は不思議そうに見つめていた。
吾郎が席を立った隙を見計らって、箱を開けた。
中には掌にすっぽりと納まるサイズのボトルが一本。
この中身、実は即効性のある媚薬だった。
先日、気分転換にとネットサーフィンをしていたところ偶然検索で引っかかったものだった。
吾郎に使ってみたくなって衝動買いしたものの、効果の程がイマイチ信用できない。
実際に使用する前に、誰かで試したほうがよさそうだ。
寿也はそう思った。
夕食へ向かう時、こっそりとポケットにそれを忍ばせて、誰を実験体にしようかと寿也は部員一人一人を見つめた。
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