夏が近づくにつれ、海堂一軍は遠征に出かける回数が多くなってきた。
一軍帯同組である眉村、市原、阿久津の三人も頻繁に遠征に参加。
二軍の遠征とすれ違いになった時などは一週間以上顔を合わせない事もある。
「今日も疲れたな……」
練習を終え、薄暗い部屋へ戻ってきた薬師寺は電気も付けずにベッドへと倒れ込んだ。
ふとカレンダーに目をやればもう一週間も彼の顔を見ていない事に気がついた。
会いたい。
唐突にそう思った。
会って今までの事を食事でもしながら話をしてそしてその後は……。
あと数日待てば会えるというのに、待てそうにない。
眉村の枕を抱きしめると仄かに残り香が鼻を掠める。
「眉村……っ」
その香りを嗅いだ途端身体がカァッと火照りだした。
心臓がドキドキと早鐘を打ちからだの芯が熱くなる。
(まさかアイツの匂いで興奮するなんて)
ほんの少し罪悪感に駆られながらも燻り始めた熱を鎮めようと手を伸ばす。
服の中に手をいれ胸を弄りながらユルユルと扱くとジワリと快感が背筋を伝って上ってくる。
「ん……は、ぁっ」
枕に顔を埋めながら手の動きを早める。
口から零れる喘ぎ声を自分が出しているのだと自覚しているだけに羞恥で身体が余計に熱くなった。
だが、いつもの行為に慣れてしまっている身体は薬師寺の手淫だけでは物足りなく感じてしまう。
それどころか更に強い快感を求めて体の奥が疼きだした。
「ハァハァ、なんでイケねぇんだよ」
イキたいのにイケない。
そんな自分に戸惑いながら疼きだした身体を何とか鎮めようと躍起になる。
その時ふと、机の上に置かれたドライバーが目に付いた。
昨日緩んだベッドのねじを直すのに使って机の上に置いていたものだ。
「……っ」
薬師寺は一瞬躊躇った後、背に腹は変えられずゴクリと息を呑む。
そして戸惑いながらも細い方を握り、そっとソレを後孔に差し入れた。
ゾクリと背筋が粟立ち再び強い快感がせりあがってくる。
「ぁっ、あっ眉村……っ」
グプグプと言う鈍い音を立てドライバーを飲み込んでゆく。
恥ずかしい気持ちと、こんなものを使用している罪悪感でグチャグチャになりながらも快楽を求め激しく抜き差して自らを高みへ追い詰めて行った。
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