眉薬 他
LoveSick
「お前・・・・・なんか、あったのか?」
行為の後に、着替えている俺に薬師寺が後ろから声をかけてきた。
ヤツは、すぐには動くことが出来ないらしく、ベッドにうつ伏せになったままの状態で肩で呼吸をしながら俺を見つめていた。
「何の話だ?」
別に俺はいつも通りのつもりだから、薬師寺の言っている意味がよくわからず、聞き返した。
「・・・・・・・・・いや、なんでもねぇ」
そう言って、ゆっくりと起き上がり、ベッドの下に転がっているシャツに袖をとおす。
ほんの少しだけ、頬が染まっているような気がするのは、俺の気のせいじゃないはずだ。
「何か言いたいことがあるんだろ? 言ってみろ」
「・・・いいんだよ。俺の勘違いみたいだから・・・気にすんな」
勘違い?
一体何を勘違いするって言うんだ?
さっぱり、言っている意味がわからん。
追求しようとしたが上手くはぐらかされて、結局自分の布団へ逃げられてしまった。
薬師寺の聞きたかったこと。
俺は、いつもと変わらないのに何を言いたかったのだろう?
不思議に思ったが布団を目深に被って俺を遮断しているため、俺は諦めて、眠りにつくことにした。
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