眉薬 他
LoveSick
「なぁ……なんでお前はいつも俺の部屋に入り浸ってるんだ?」
一軍へあがってから一人部屋になり、アイツと離れ離れになれて清々するっ! って思ってたのに……。
いざ一軍寮へ越した後も以前と生活はかわらないまま。
気が付くといつも俺の部屋にはアイツが居て、今も俺のベッドに腰をかけて音楽を聴いている。
「いいだろう? 何処に居ようが俺の勝手だ。邪魔だと言うなら出て行くが」
「馬鹿。 別に邪魔なんて言ってない! ただ……」
「ただ?」
モゴモゴと口ごもる俺を不思議そうに覗き込んでくる。
二人っきりで居ると変な気分になる……なんて死んでも言えねぇ。
キス……したいって思ってるなんて………絶対に言えるもんか。
「どうかしたのか?」
パッと目が合って、今考えて居たことを見透かされそうになって顔が一気に熱くなる。
「なんでもねぇっ!」
「?」
耳までほてって熱くなる。今考えてた事が見透かされそうな気がして慌ててそっぽを向いた。
「薬師寺……」
「えっ? うわっ」
突然引き寄せられ世界が暗転する。
トサッと小さな音と共にベッドに縫い付けられ押し倒されるような形になった。
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