眉村SIDE
俺にもたれるようにして、薬師寺が座っている。
太ももを片方の手で撫でなでていると、ちょうど薬師寺の髪が俺の鼻の先にあっていい香りがする。
ここに置いてあるシャンプーはトレーニングコーチの趣味らしく、よい香りのするものが多い。
俺は短いからよくわからんが、こうして鼻を掠めると、思わずドキッとする。
頭を撫でると黙って俺を上目遣いで見つめ柔らかな笑みを溢す。
その仕草がとても色っぽい。まったりとすごくつもりで居たが、ただでさえ欲求不満な俺は不埒な想像がちらついて我慢できなくなった。
すると何を思ったのか、薬師寺が突然俺の指を自分の口元に持っていってちゅっちゅっと舐め始めた。
「!!!」
ムードを壊さないように我慢している俺を、煽っているようにしか見えないその行為に俺はたまらず、薬師寺を押し倒した。
息する間も惜しいほど貪るように口付けをして、口腔内を犯していく。
「んんっち、ちょぉっ待て!!」
「俺をここまで煽っておいて待てはないだろう?」
両手で必死に俺を突っぱねようとしているが、嫌がられるとさらにこっちも何とか組み伏せようと躍起になる。
「わかった、わかったから、窓と鍵くらい閉めろ!」
そう言われ、ハッとした。
確かに窓全開ではマズイ。
仕方なく立ち上がると窓とカーテンを閉めさらにドアに鍵をかけた。
部屋の空気が止まって、蒸し暑さが漂っている。
仕方が無いので、まとわりつくTシャツを脱いで上半身だけ裸になった。
ベッドに戻ると、薬師寺が頬を染めて俺を待っていた。(俺にはそう見えた)
頬に触れると、頬が次第に赤く染まり視線が交差した。
目が離せずに居ると唇が触れ合う瞬間、そっと瞳を閉じた。
やわらかくてとても熱い。
久しぶりのキスの感触は、暖かくいくら吸っても飽きることが無い。
舌を絡めとり唾液を交換する。
吸えば吸うほど愛しく唇を離したくない。
手は自然に服の中をまさぐり、胸の突起を両手で一つずつ摘み上げる。
「ふ……んっ」
もれでる声ですら、キスという形で塞いでしまう。
とても我慢できそうにもなく、ズボンの中に手を入れるとすぐに腰が浮いて俺の手に絡まってきた。
なんだかんだ言って、薬師寺もソノ気だったんだな。
俺が秘部に触れると異常なほどびくんっと身体が跳ね上がった。
「あっそ、ソコ、触るなぁっ!」
そのまま、指に力を入れるとそんなに抵抗も無く受け入れる。
どうやら濡らさなくてもいけそうだな。
「あ、あふっ眉村っ……やめろっ」
ズボンの中から卑猥な音が聞こえてきて薬師寺の頬が紅潮してゆく。
だんだんと甘く鼻から抜けるような声が多く聞こえて、文句を言う口数が減ってきた。
切なげに眉を寄せ、シーツを掴み首を振る。
「止めろって……ああっ」
「本当に、イヤなのか?」
別に意地悪で言ったんじゃなくて本当にイヤなのかと思ってそう聞いてみた。
やっぱり、無理やりじゃぁマズイだろう。
「本当に、止めて欲しいのか?」
手を止めて、薬師寺の返事を待つ。
「っつ」
「言わなきゃわからん」
「こんな状態で……嫌なわけ、ねぇだろ! このタコっ!!」
ポカッと頭を殴られた。が、今日のは痛くない。
人前だと、容赦ないからな。
何度歯が折れそうになったことか。
「も、変なこと言ってないで、早くイれろ!」
茹蛸のようになって、俺を見る。
全く、どっちが蛸なんだか。
そんな疑問は置いといて、薬師寺の許可も下りた事だし。俺は自分のモノを取り出し、秘部に押し当てた。
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