眉薬 他
LoveSick
薬師寺SIDE
部屋に戻ると、ムシムシした空気が漂っていた。
どうやら、監督がクーラーを止めたって言うのは事実らしい。
眉村が俺の帰りが早いのを不思議そうな顔をして尋ねてくる。
全部お前のせいだ!
文句を言っていたら、突然、
「すまん。悪かった」
と言い出した。
やけに素直じゃないか。
なんだか拍子抜けしてしまった。
眉村の口元が緩んで、ベッドの脇の壁に凭れ掛り手招きをする。
俺に、眉村の股の間に座れって言ってんだな。
仕方ねぇな。
たまにはいいか。
眉村を背もたれ代わりにして、身体を預けるとふわっと抱きしめられた。
背中越しに、規則正しい鼓動が伝わってくる。
たまには、こういうまったりとした、空気もいいかな。
不思議とこの蒸し暑さもあまり気にならずにお互い黙ってリラックスする。
アイツの手は、太ももをさすっている。
そこを触られるのが俺は一番弱い。
だけど、アイツが一番好きな部分もそこだった。
だめだっ、そんなに触られるとおかしな気分になってくる。
じわりじわりと、欲望が膨らんできた。
ああ、せっかくまったりと過ごしてるのに。
俺の身体は正直で、疼くのを抑えるのに必死だった。
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