薬師寺SIDE
ミーティング中、次の練習試合の選手のデータをメモっていると突然何かか俺の太ももの付け根に当たった。
ギョッとして思わず眉村を見ると、無表情な顔したまま頬杖ついて俺のほうをじっと見てる。
嬉しそうに鼻が動いてるのを俺が見逃すはずも無い。
この野郎!
あれほど人前で触るなと言ってるのに!!
さわさわと撫でるその手つきがどうしてもエロく感じる。
このエロ親父! セクハラだぞ。
その手に神経集中して自然と身体が反応する。
ダメだ。これ以上触られたら変な声が出そうになる。
俺は殴ってやりたいのを必死に堪え、思いっきりヤツの手の甲をつねった。
驚いて手を引っ込めた眉村を睨んで威嚇する。
ったくっ、今度セクハラしたら股間蹴り上げてやる!
セクハラされても、監督に言えないのがすっげぇ悔しい。
いくら恋人だからって限度があるだろ!?
いつでもどこでも俺に触ってきやがって。
ほかのヤツに見られたらどうするつもりなんだ。
そんなことを考えているうちに、ミーティングは終了し俺は眉村に声をかけられる前に渡嘉敷に声をかけた。
「なぁ、今から遊びに行ってもいいか?」
「え? いいよ別に」
「おっ、じゃぁ俺も行くぞ」
米倉が後ろから声をかけてきた。
いつものメンバーで渡嘉敷の部屋になだれ込む。
「そういやさ、テストの結果どうだった?」
「あーなんとか赤点は免れたぜ。薬師寺は成績いいから、そんな心配ないだろ?」
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