部屋に戻ると、薬師寺は相変わらず怒っていた。
「ったく・・・人前でああいうことすんなっていっつも言ってるだろ?・・・マジでお前って何考えてるのかわかんねぇ・・・」
ドアを閉めると同時に抱きしめられて、思わず文句を言っていた口が止まりドキッとする。
「おいっ・・・俺、怒ってるんだけど。」
「いつも何を考えてるかなんて・・・・。俺の頭の中は、お前でいっぱいに決まってるだろ?」
「っ!」
耳元でそっと囁かれ、心臓が早鐘を打ち始める。
「お前は?・・・俺のこと、少しくらいは考えてくれているのか?」
心配そうなその声色に、薬師寺は口付けという形で答えた。
ちゅっと言う音を立てて、不意打ちを食らって驚いている眉村にほんの少しはにかんだ笑顔を見せる。
「考えてるけど・・・、俺は健ほど周りに関係なくスキスキ言えるような柄じゃねぇんだよ。・・・いつも言ってるだろ?」
抱きしめられた腕に力が入り、深く口付けられる。
歯列をなぞり、舌を絡め取られてお互いの唾液が交換する。
「んっ・・・はっぁ・・・」
息をする間も惜しいほどに、何度も角度を変えて情熱的に口付けられて、薬師寺は膝に力が入らなくなった。
カクンと折れて、へたり込む寸前に抱きとめられる。
そのままベットへと連れて行かれ、ゆっくりと覆いかぶさるようにして押し倒された。
何度も何度も口付けを交わし、薬師寺は自らの腕を背中に回した。
眉村の手が服の中をまさぐり、弱い部分に爪を立てると、堪らず眉をしかめる。
片方の手は既にズボンへとかかり、太ももの辺りを撫でられて、ゾクゾクした。
「そこ・・・触るなっ」
「なぜだ?」
「な・・なぜって・・」
弱いからに決まってるだろ!!
そう言おうとしたが、それは適わず眉村が太ももに吸い付いてきたことによってさえぎられた。
「あっ・・バカッ・・吸い付くな・・ああっ」
全身が一気に熱くなり、触れられた部分から甘い媚薬のように痺れが沸き起こる。
なおも執拗にソコばかりに刺激を与えられ、薬師寺は声を漏らさないようにするのに必死だった。
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